2024年12月 6日 (金)

Inspired!

12063_20241207204401 もう2週間以上悩んで居る928のエアフロ。BOSCHの正しい呼び方だとエアマスか。
 関係ありそうなBOSCHの資料を読みあさり、白金線タイプの所は100回とまでは行かんけど20回くらいは読んだ。そのおかげでそれっぽい回路をでっち上げる事は出来た。ただ校正をどうするかが問題。
12061_20241207204201 930の時は実車が手元に有ったので、それのO2センサ出力を見ながらセッティングが出来た。でも今回は実車が無いのでセッティングのしようが無い。
 そんな事を延々と考えて居たけど、ちゃしろの散歩の時にふと思いついた。ホイートストンブリッジの電流はフィードバック制御されて居る。だから駆動トランジスタのhfeが多少ずれても制御範囲内ならOKの筈。
 問題となるのは本体内の白金線、基準抵抗、温度補正抵抗などのばらつきを補正する為と思われるけど、セラミック基板上の抵抗がレーザートリミングされている部分だ。
12062_20241207204201  今まではこの部分がどうにも成らないと思って居たけど、この抵抗をそのまま使ってしまえば良いんじゃ無かろうか?。と思いついた訳。
 白金線を張り替えたりしたらダメだけど、今回は白金線も基準抵抗も温度補正抵抗も全て生きているから再利用できる。と言う事は、それらに対するレーザートリミングされた抵抗もそのままでいけるはず。
 最後の画像で中央上部に有るのがOPアンプ的な制御部分で、左側に有るボンディング線で繋がった「ICの中身」的なヤツが駆動トランジスタ。そのほかの部分は純粋なパターンとレーザートリミングされた抵抗とチップコンデンサなので、何回も何回も眺めて居ると設計者の思想が見えて来る。
 と言う事でバラックで回路を作って試して見たらいけそうな気配。無風状態で1.6Vとマニュアル通りの出力が得られる。後は駆動トランジスタが余分な電圧を熱にして捨てる構成なので発熱が結構凄い。これの代用品としてそれなりのトランジスタを探す必要が有る。
 もう一息な気がして来た。

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2024年11月18日 (月)

Singles Day

11181_20241119092201  ポツポツ書いて居たDCダイナモの纏め的な内容でも。
 グローラでロータの短絡試験の様子。問題無い。



11182_20241119092201  同じく開放とか接続不良側の試験の様子で、こちらも問題なし。
 フィールドコイルは機械的にバラバラに成りそうだったので補修したけど、こちらも電気的には純正のままでOKと思われる。


11183_20241119092201  レギュレータはオーソドックスな3個構成だけど、電圧リレーは2ポジションしか無い。これは「最大発電」と「かなり少なめに発電」の2種類しか制御が出来ない事を意味する。これに対して新しい時代の3ポジションのヤツは「中くらい発電」の命令があるから制御がきめ細かい。
11184_20241119092301  試験機に付けて総合的な試験をするけどちょっと・・・的な事が起った。





11185_20241119092201  発電はスムーズにするんだけど、発電開始の回転数が高い。12Vを出すには2000rpm必要だし、14Vを出すには2200-2300rpm必要。
 これはVW何かのDCダイナモに比べたらかなり高回転に成る。そういう仕様なら良いけど故障なら困る。とは言っても各部は正常。あえて言えばフィールドコイルの抵抗が高めだけど、状態から故障とか切れかかりでは無くて標準と思われる。
 もう一つ気に成るのは電流計が-6Aくらいを示して居ること。高回転から回転を下げていった時なので、カットアウトの接点が繋がったままに成っていて電流が逆流している。この状態が続くとチャージランプは消えているのにバッテリは放電し続ける事に成る。
 これは良く無い状態だけどある程度は仕方無い。VWとか356の初期のヤツだと-4A~-9Aが許容範囲なのでこの程度は流れても仕方無い。後期の12Vタイプに成るとかなり減る。そういう意味からもここをダイオード式に改造する事は意味があるけど、過去の技術を殺す事にも成るので難しい判断。356にインプレッサのエンジンを積む事が無条件にお勧め出来ない様に。
11186_20241119092301  依頼者に聞いて見ると元々が高回転かも知れないという話。そしてこの車にはアバルトの高回転用プーリが付いているので、アイドルではハッキリとチャージランプが点く傾向は更に激しいかも。と言う話だった。
 良く解ったこの手の専門の方なので、このままで取りあえず行ってみようという事に成った。もし、もう少し低回転型にしたいという話に成ったら、ロータ側は面倒なのでフィールドコイルを巻替える事に成ると思う。
 手離れの良い仕事が好ましいけど、まあこういった感じの事も有る。相手と話が通じて理解し合って進むなら問題は無い。話の通じない相手との手離れの悪い仕事は精神的にキツイ。

11187_20241119092201  アリエクスプレスから「安いから買え!」とメールが来ていたので数点買った。例の独身の日に絡んだセールみたい。
 スプレーガンのアダプタとか数百円の物を買ったけど、3点で送料無料との事なのでもう1点として傾斜計を買った。
 これは確か変なオッサンがお勧めして居たヤツだ。同じ物では無いと思うけど、中華の傾斜計という意味では同じ。
 使えるかどうか解らんけど、これの凄いところは630円しかしないことだ。先日の気圧計に続いてスマホの部品を使った測定器だと思うけど、技術の進歩と量産効果は恐ろしい。

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2024年11月12日 (火)

Is insulation tape not necessary?

11121_20241113185101  良く解らんDCダイナモ。反対側から見たらプーリに「ABARTH」と書いて有るのでそういう車なんだろうか?。
 レギュレータと一緒に入って来ていて、DCダイナモの方はモータリングは取りあえず回る。


11122_20241113185101  形状的にD+端子の取り出した出来ないので、穴の一部が斜めに削ってある。これは後で加工したんじゃ無い感じがするので、途中で気がついて図面もこうなっているんじゃ無いか?と想像。


11123_20241113185101  ロータ側はそんなに傷んでなかったので、まずはコンミュテータを真円切削した。あとはグローラでチェックしてワニスを含浸か塗布して傷んだ絶縁皮膜をしっかりさせたらOK。



11124_20241113185101  問題はフィールドコイルだ。絶縁テープが全く無い。最初は崩壊したのかと思ったけど、よく見たら最初から裸で金属と接触する場所だけに薄い絶縁紙が入って居る様だ。
 と言う事はこの形で固めたコイルを絶縁シートを挟んで組立てて有るのか?。
 とは言ってもかなり傷んで居るので絶縁テープを巻くかオリジナルを尊重するならこのままで固め直す必要が有る。
 年月を考えると界磁鉄心を外したら巻線がホロホロと剥がれて来そうな感じ。それは避けたいのでまずはこのままで低粘度エポキシか何かで固めてしまう必要が有りそうだ。
 ちょっと想像して居たのとは違う、面倒臭いと言うか難しそうな作業だ。うーん。

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2024年11月10日 (日)

No faulty parts were found.

11101_20241113182201 1週間くらい前に作業したオルタネータが帰って来た。まだ可笑しいらしい。
 前回は一体型レギュレータの配線を修理し、各ブロックに分解してチェックした。そこで今回は更に細かく分解して見て行くことにした。
 まずはステータコイルを単体にして確認するけど悪い所は無い。絶縁チューブと一部の絶縁皮膜が傷んで居たので交換したり補修したりしたくらい。
 3相の巻線が2組並列に成って居るのもあるけど、これは位相がずらして有って6相みたいな感じの結線。だからダイオードも中性点を含めて14個もある。

11102_20241113182201 ダイオードユニット側。念のため1個1個確認する為にそれぞれの接続を外して14個を単独測定した。でも異常は無い。

 

11103_20241113182201 ダイオードユニットを裏側から見たところ。黒くて小さい円筒形のヤツがそれぞれのダイオード。
 プラス側の放熱器とマイナス側の放熱器が有り、その中間地点のA-Kの接続分にステータコイルの出力が繋がる構造。

11104_20241113182201 最後にもう一回測定したけど大して変化は無い。
 1000rpmくらいで電圧が下がってきて、900rpmくらいで14Vのバッテリに対してチャージランプが点灯し始める。
 後で聞いたら3.2Lと言うことなのでアイドルは低くても800rpmは有る。プーリ比が1.2としてもオルタの回転数は960rpmでチャージランプは点かない計算になる。
 良く解らん。自分の3.2Lエンジンでも有ったけど、あるタイミングでレギュレータがバカに成っていたりするのかも。私は常に電圧計をシガレット端子に付けて居るので気がついてレギュレータを作り直したけど、普通のユーザーはそこまでせんよなあ。

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2024年11月 1日 (金)

Out-of-tune variable resistor

11011_20241102134601  コンデンサが来たので組上げた6ピンのCDI。入力には任意波形発生器からデスビ相当信号を出し、出力には実際のコイルを付けて最終試験。



11012_20241102134601  300Hz=6,000rpmにて1.5uFの両端に300V以上が印加出来て居る。良い感じ。





11013_20241102134601  こちらは930のヒーターコントロールユニット。何回か書いたし動画もアップしたけど機能の割にメンドクサイ機器。




11014_20241102134601  まずは調整ノブの下にあるVRが絶不調。巻線が切れて居たら相当品に交換するしか無いけど、これは軽い補修で生き返った。
 これとは別に軸がスリップしていたので軽く接着と窪みに対して熱で溶かして固定した。最悪の場合は分解出来る程度に。

11015_20241102134601  サーボアンプはまずは単体でチェックする。これはOPアンプを使った単純なP制御のアンプ。なんかメチャ高いらしいので壊さない様に慎重に。。。



11016_20241102134601  試験機に繋いで総合試験中。試験機を作るまではバラックでVRやらスイッチが散乱して大変だったけど、今はかなりスッキリと作業が出来る。
 書類も作業機器もきちんと纏めて行くべきと解っては居るけど、なかなか出来んのよねえ(笑)。

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2024年10月31日 (木)

Arrival of parts

10311_20241101093801  パッキン用の薄いファイバーが到着したので切り出した。手で切れんことも無いけど、こう言うのはレーザーカッタの出番だ。
 普通の紙だと難しいけど、ファイバーだと楽に正確に切れる。


10312_20241101093801  錆だらけだった内部はエスコの2回塗り。接点廻りも研磨と組み直しをしたので多分動くはず。




10313_20241101093801  組立てて接点の調整まで終わった状態。今回は色まで塗ったので綺麗に見える。
 6V仕様を12Vで使うという話だったので12V印加して調整したけど、何故か12Vの方が調整のスイートスポットが狭い感じ。
 それと左右で音程が合わない。これってもしかして振動板の仕様が違っているのかも知れない。音程の違うのを同時に鳴らしたら良い感じに聞こえたし。
 理由は解らんけど音程を同じにしても音色は違うし、調整のギリギリの所に来るので何かの拍子に鳴らなくなる可能性がある。だから左右ともスイートスポットの中央値くらいに調整して完成とした。
10314_20241101093801  依頼者がビスとエンブレムのキットを手配してくれたのでネジ類が綺麗。細かい所が綺麗に成ると締まって見える。




10315_20241101093801  こっちも切れて居たコンデンサが来たので作業を再開した6ピンのCDI。
 あとは基板上の劣化した部品を交換して組立てれば完成の予定。

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2024年10月21日 (月)

It corrodes copper.

10211_20241022203701  作業中の964のエアコンユニット。コイツは2枚におろさないと作業が出来ないけど、この状態では動作試験が出来ないという嫌らしい構造。
 しかも接続はコネクタとかケーブルじゃ無くてピンヘッダを半田付けなので不便だし、パターンが剥がれるので何回も作業は出来ない。
 バージョンに依って使って有る部品が違うけど、リレードライバICの入手が困難。今回は手持ちのを使ったけど次から何とか考えないといけない。コンパレータとトランジスタでも使ったICもどきをでっち上げるしか無さそう。
10212_20241022203701  前も書いた様な気がするけど電解コンデンサの固定用シリコーンによってジャンパ線の銅が腐食されている。
 シリコーン屋さんが注意喚起しているけど、一般的なヤツは密閉環境下で銅を腐食する。使うならアルコール型とか脱アルコールタイプと書かれたヤツにしないと不味い。
 沢山作業する会社なら商社から1kgでも20L缶でも買えば良いけど、うちみたいにごく少量しか使わない所ではそうは行かない。唯一の解決策はセメダインのバスコーク。私が探した限りではこれが少量で入手出来る唯一のアルコールタイプ。

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2024年10月20日 (日)

Broken brushes

 本当なら土曜日は久住で試験飛行の予定だった。でも雨で日曜日に延期になり、さらに天候不良の為にキャンセルとなった。だから今日は仕方無く家で色々な事をしていた。

10201_20241020224301  2個入って来たレギュレータの相手側のセルダイナモ。
 コンミュテータを真円切削しようとしたら、まずはテーパを合わせて仮軸を準備しないといけない。


10202_20241020224301  面倒臭いけど意外と偏芯して摩耗していたのでやって良かった。





10203_20241020224301  あとはグローラで短絡側をチェックし、






10204_20241020224301  開放側と巻き線の具合をチェックしたらOK。組み合わせて実際の回転試験をやるかどうかは考え中。
 そりゃやった方が良いに決まって居るけど、ロータをステータを正しい位置に肯定するとかメチャメンドクサイ。さてどうしようかね。
10205_20241020224301  ステータ側を見て行くと4個あるブラシのうち3個が割れて壊れていた。残りの1個も普通なら交換するレベルで傷んで居る。
 これは送られて来た時にロータと組み合わせて梱包されていた。その為にガタの分だけロータ側すなわちコンミュテータがガタガタ動き、その動きによって出て居たブラシが破損した様な気がする。
 聞いて見たらなかなか入手困難なブラシと言われたので、手持ちのやるから4個削り出した。薄いのにリード線が横向きに刺さっている。削り出してはみたものの、長期的にリード線が抜けないかな?とちょっと心配。

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2024年10月19日 (土)

Two types of coping strategies

10191_20241020222801 メグロの小さなヤツのレギュレータが2個。どちらも同じように汚れている。





10192_20241020222801  裏側から見たらハッキリと腐っているに近いけど、うちで作業するのはこんなのが殆どだ。
 このタイプはセルダイナモなので、通常のDCダイナモ用レギュレータよりもゴチャゴチャした裏面になるのも仕方無い。

10193_20241020222801  程度の良い方は機械式のままで修理した。3個有るけど一番手前は電流リレーじゃ無くてセルモータ用のリレー。
 下から出ている電線もパキパキで死にかけて居たので3本とも交換した。


10194_20241020222801  もう一個の方はレギュレータ部分の中身を全部取っ払った。残って居るのはセルモータ用のリレー。こちらも配線を交換した。




10195_20241020222801  いつもの様に3Dで配線していく。この方が振動に強いのと、同じのを繰り返し作業する様な機会が無い事からこのやり方に落ち着いて居る。
 同じのを沢山やれば仕事としては楽だけど、私は退屈なので毎回違う内容の方が退屈しなくて嬉しい。
10196_20241020222801  2Dの部品は最終的にはエポキシで固めてしまう。振動に強いのはこのせいだ。





10197_20241020222801  制御電圧は14.7Vくらい。まあこんなモンでしょ。。。と言うかここまで発電してくれるのかな?。

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2024年10月18日 (金)

This capacitor is available.

10181_20241020215401  6ピンのCDIが2個。1個は発振音はするけど火が飛ばないと言う症状。もう1個は修理済みだった様な気がするので確かめてくれと言う依頼。
 うちで作業すると基本的にメインコンデンサを交換するので、コンデンサ固定のリベットがネジ止めになる。そうなって居ないという事は未作業だろうな・・・と思って中を開けたら、
10182_20241020215401  見事にうちで作業済みだった。何となく記憶が蘇ったのでメモを見ていくと、数少ないコンデンサが生きていて知りよう可能な個体だった。だからメインコンデンサ以外の作業をやって居たヤツ。


10183_20241020215401  念のために性能を測定して見たら全く問題無い。どういう理屈か解らないけれど、数十台に1台くらいはこんな感じで劣化して居ないメインコンデンサがある。



10184_20241020215401  もう一個の方はハッキリとダメに成っていた。22pFしかない。これじゃあ火は飛ばない。
 それ以外の場所も劣化して居るので、基本的なリフレッシュ作業をやる事になった。未だトランスを外して測定して無いけど、もしトランスが傷んでいたら巻替えになる。

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