2023年5月23日 (火)

Triangular wave generating circuit

05231_20230524083101 昨日書いていたアイドルスタビ、下の方のバルブ部分だけ超音波洗浄をかけてみた。
 少し改善したので動画に撮ってみたけど、ポートの中の小さな動きを全く捉えられて居なくて失敗。
 世の中に普通に有るように見える物も、いざ自分でやって見ると上手く行かんモンだ。
05232_20230524083101  インジェクター試験機の信号発生部を作ったので組み合わせてみた。良く有るビデオの様に断続的にインジェクタが動く様に成った。
 マイコンで作って状態表示は2行の表示器を使うのが今風で正確と思うけど、私の能力的にそっちだと1月くらいかかってしまう。

05233_20230524083101 今回のはゴリゴリのアナログ回路で、OPアンプを2回路使った三角波発生回路と、VRで作った基準電圧と三角波を3個目のOPアンプで比較してPWM信号を得ている。
 2回路入りのOPアンプを2個使ったので1回路余る。勿体ないので?ボルテージフォロワにして無理矢理使った。
 予定では600rpm相当から6000rpm相当の周波数を出力したかった。でも手持ちのVRだと周波数の範囲が足りなかったので何かの機会に注文して交換しておきたい。
 噴射用のレールはメッキに出して居るので、これが上がって来たら動的なインジェクタの試験が出来る。100万くらいする「ASNU」の試験機に対抗して我が社の試験機は「ASOLD」とでも名付けよう。でもこの場合は「as」は違って居て「still」とかに成るのかな?。

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2023年5月18日 (木)

I installed a graduated cylinder.

05181_20230518212401 今までにも同じ仕事が続くと書いたことが有るけど今もそう。ラビットのレギュレータが2個続いて入って来たかと思ったら、次は鈴木キャリイのレギュレータ。
 どれもセルダイナモでケースの中にレギュレータとセルモータリレーが内蔵されて居る。
05182_20230518212401 鈴木のエンジンだから2stの3気筒かと思っていたら、このL30と言う車種は2気筒らしい。
 フロンテとかGT380の仲間と言うよりもT20とかそっちの流れだったのかもしれない。

05184_20230518212401  メスシリンダが来たので並べてみた。専用設計ならもっと隙間が詰められるけど、汎用のメスシリンダを並べるならこんな間延びした間隔にしか成らん。
 汎用的で潰しの効く自由度の高い設計が好きなので、まあ良いと言えば良いけど間延びしているな(笑)。
 次はこの上にインジェクタのホルダとヘッダというのか燃料の通るレールを付けたらメカ的には完成。

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2023年5月13日 (土)

Injector driver

05131_20230514190001  インジェクター試験機を真面目に纏めようと思って基礎的な作業を始めた。手始めにインジェクタドライバの検証と製作。
 先日のヤツは点火コイル試験機を使って通電時間を調整して駆動した。これだと作業者が十分に注意深い人間である必要が有る。
 本来ならDMEの内部のように、噴射パルスが来たら自動的に開弁電流と保持電流を切り替えてインジェクタを駆動して欲しい。
05132_20230514190001  この手の用途に適した専用ICが有って「L584」と「LM1949」の2種類を見つけて居る。もし他に知って居る人が居たら教えて欲しい。
 で、L584は何処を探しても入手出来ず、LM1949は中国のサイトで見つけて入手している。コイツはBOSCHのDME内の専用ICを置き換える事は出来ないけど、インジェクター試験機に使う事は出来る。と言う事でLM1949を使った駆動回路の試験を始めた。
05133_20230514190001  オシロの波形を見たら解るように、開弁電流と保持電流の切替はキチンと出来て居る。そして保持電流はPWMで作って居るのでロスも少ない。でも問題も有る。
 開弁電流と保持電流の比率が4倍で決め打ちな所と、オシロの波形をよく見たら解るけどフライホイールダイオードでは無くて大型のツェナーを降伏させてトランジスタオフ時の電流を環流させている事。
 BOSCHの専用ICは比率が2倍程度なのでこれの置き換えは少し怖いのと、BOSCHの専用ICはフライホイールダイオードにトランジスタを組み合わせて凝った構造になっているからツェナーを使った様に大きな損失が無い。
 まあ、安い8ピンのIC1個でここまでやってくれるので文句を言ったら罰が当たるけど、車載じゃ無い用途にしか使えないと言うのが私の結論。

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2023年5月 6日 (土)

The most difficult cause to discover.

05061_20230507183701 「おらぁ、なに休んどんじゃい!、ポルシェターボが止まっとんじゃ!」とネイティブとは少し違う関西弁で脅されたので仕事もして居る。
 不思議な見た目の6ピンCDI。裏蓋やネジ類は再メッキされていて、メインコンデンサの固定リベットもピカピカ。ツェナーの固定部も純正と違うシール剤。
05062_20230507183701  内部を見ると全部の抵抗と一部の部品が交換されている。でもトランジスタは古いままだしメインコンデンサも古いまま。
 確実にどこかでOH作業が成されて居る事だけは確か。


05063_20230507183701  トランス固定ナットも純正と違うのでやり替えて有る。メインコンデンサは一旦外して再度鉄リベットで固定して有る。




05064_20230507183701  でもESRが結構高いので交換した方が良かったと思うんだけど。。。





05065_20230507183701  いつもの様に作業を進める。ここまでは順調というか普通通り。





05066  新しいメインコンデンサの容量とESRはこんな感じ。体感出来るかどうか解らんけど、CDIの放電電流は馬鹿でかいパルスなので、ESRが高いとかなりロスが出たり発熱したりしそう。


05067  ここからが試練の始まりだった。普通に組んで試験するけど動かない。まずはDC-DCコンバータが発振しないわけだ。
 色々見たけどメイントランジスタがオンオフ為て居らず、ベースに駆動波形がきて居らず、再分解してトランジスタを測定しても異常が無く、トランスを再測定したけど問題は無く、仕方なしに新品トランジスタを付けたけど症状は変わらず、何だかんだで丸々2日くらい費やしてしまった。
 で、2枚目の写真が今回のCDIだけど、7枚目の写真は今までにやってきたCDIの写真。全ての作業前後や作業中を写真に撮っているので古いのを見直してみた。すると、今回のCDIだけトランスの配線が違っているのを発見した。
05068  信じられないけど、今回のCDIだけベース巻線の巻き方向が逆になって居た。そしてそれを修正する為に今回の分解前の写真だけど配線が逆に接続されて居た事を発見。
 もう何十台も作業したし自分の所でもトランスをゼロから作ったりもしている。でも今まで逆に巻いて有るトランスなんか見た事が無かった。はあ。。。。。。
05069  ベース巻線の配線を逆にしたら動き出した。インダクタンスとかは正常なんだから当たり前の話だけど、なぜ前回の工場ではわざわざ逆向きのトランスなんか作ったんだろう。
 こんな仕様じゃBOSCHの基板と組み合わせる時に配線を弄らないと行けないし、単体で販売する事も出ない。何のメリットも無いと思うんだけどねえ。
 もしかして自社以外では次の作業を不可にするための小細工だろうか?。流石にそんな事はせんだろうなあ。だとすると間違って巻いてしまい、そこの工場でも誰かがウーウー言いながら最終的に原因を見つけて配線を逆に繋いで出荷したと言うストーリーかな。
 トランスの神様ありがとう。楽しませていただきましたよ。

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2023年4月22日 (土)

solder cracks

04221_20230422185801 前回のエンジン始動せずとは別のDME。こっちは不調の時もあったけど基本的には動いて居たヤツ。
 確認しながらリフレッシュ作業の依頼。



04222_20230422185801  受け入れ時の抵抗負荷をぶら下げた状態での点火と燃料噴射のコレクタ電圧波形。
 特に悪い所は無いし88年辺りのROMっぽい変化をする。



04223_20230422185801  燃料噴射の電流波形。全く問題無い感じ。






04224_20230422185801  点火の電流波形。メインの波形はOKだけど電流がゼロになった後のギザギザは何だろう?。




04225_20230422185801  前回と違ってこれは水没とかの形跡は無しで良かった。





04226_20230422185801  点火系のメイントランジスタの接続分に半田クラックを発見。ここまでハッキリクラックが見えて居ると、温度とか振動の環境に依っては体感出来る不具合があったかも。
 4枚目画像のギザギザとの関係はうーん。


04227_20230422185801  基本的なリフレッシュ作業と再半田関連をやった後の点火系電流波形。ゼロになった後のギザギザが消えた。良かった。
 クラックのせいだったのか、他のリフレッシュ作業が効いたのかは解らない。1個1個作業しながら測定まではして無いので。。。トラブルシューティングの神様ごめんなさい。
04228  こっちは完調時の燃料噴射系波形で、上の黄色がコレクタ電圧波形。下の緑がコレクタ電流波形。
 興味深いのは最後の所で、ピタッと止めるためにここだけはフライホイールダイオードが切ってある。そのために点火コイルみたいに逆起電力がピーンと立ち上がる。
 こんな感じの動作になるので、ここのトランジスタには単純な電流値だけじゃ無くて、耐圧というか点火系みたいなアバランシェ耐量の余裕も必要だったりする。

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2023年4月20日 (木)

A lot of people are dying.

 近所の人が死んだ。私がインドから帰ってきて二人目だ。一人目は割と高齢の人だったけど今回は私よりも3歳くらい年上で数日前にも話した人。救急搬送の数とか超過死亡の異常さに関して時々ニュースが出て来ているけど、これらの件に関して明確に実感出来る。
 自分の意思で好きな事が出来るのはあと10年と思って身辺整理しようと思っていたけど、ちょっと考えを改めて5年にしないと行けないかもしれない。
 今回の人も急死なので本人も周りも準備は出来ていない。私自身も明日死ぬかも?と思って、取りあえず部屋の中のゴミを捨てよう。

04207_20230421091501  コンミュテータが来たので壊れたヤツを交換して見た。
 少しずるい考えを出して巻線はそのままでコンミュテータだけ交換して見たけど、試験して見るとやっぱり電流が過大でなんかおかしい。
 「ずるい」と書いたようにグローラとかインダクタンスとか測定したら少しだけ変だった。でも回れば儲けモンと思って試したけどダメだった。
 やっぱ人生はまともに生きんといかんな。

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2023年4月17日 (月)

Thin slip rings

04171_20230419085101 何故かオルタネータが続く。これは形状から911系の何かの車種とまでは解るけど、特定できるほど私は詳しくない。
 スリップリングが一度交換されている感じで、例の薄い銅板タイプのヤツ。嫌な予感と共に段差が無くなるまで切削してみたら厚みが0.3mmくらいしか残らなかった。
04172_20230419085001  仕方無いからこれも丸棒から分厚いのを削り出して製作した。薄板タイプが悪いとは思わないけど、全生産台数の7割が現存しているという911に対して、1回目の分解で使え無くなる様な厚みは如何な物かと思う。脱着とO/Hの基本工賃を考えるとスリップリングの値段なんか微々たるモンだと思うけど。
04173_20230419085001  違う考え方をすれば、今はアフターマケットにこの手の薄いリングしか供給されて無いのかもしれん。
 取りあえずこれも分厚いのにしたから、あと数回のO/Hはスリップリングの交換は不要でブラシだけで行けると思う。

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2023年4月15日 (土)

Alternator for Porsche 944

04151_20230416112301 ポルシェ944用のオルタネータ。交換が必要なスリップリングだけど結局ゼロから作った。
 それっぽいのは見つかっても、内径と外径だけで詳細の寸法が掲載されて無かったり、基本的に納期の問題が有ったり、以前に書いたように劣悪な社外品だと0.5mmも無い様な銅板をL型にプレスしただけだったりする。信用問題というか折角やったのに交換したのは薄い板・・・では機械の神様に申し訳無い。
04152_20230416112301  レギュレータは支給品を付けて試験した。無事に完成したけどこのオルタネータは油まみれで妙に手が汚れる。
 944のオルタの位置は知らんけど、普通に考えたらファンベルトの辺り。漏れたエンジンオイルが付着してもおかしくない。そういう意味では空冷の911はオルタが汚れにくくて良い配置だ(笑)。
04153_20230416112301  930あたりに使って有るクランクセンサ。DME回りの動作が安定しなくて交換されたヤツ。うちに来た段階で配線に導通が無かったけど、中を開けて見て成る程と納得した。
 中央に磁石の棒が有って回りにコイルがある。鉄片が急接近したら起電力が発生する仕組み。
04154  微小な磁力変化でもそれなりの電圧を得たいからだろう、巻いて有る線が凄く細い。0.05mmくらいでマグネトーとか点火コイルの2次側と変わらないレベル。
 そして保護用の金属筒との間はシリコーンみたいな樹脂で埋めて有る。これも金属筒が少し回ったけど、この構造で筒を回すと中で細い線が捻れる。そして容易に切れてしまう事も予想される。
 取付とか取り外しの時に回して抜きたく成る構造だけど、カシメの緩い筒だと回ってしまう可能性が有る。もし自分のを交換する事が有れば、穴を綺麗に掃除してグリースでも塗り、絶対に回さずに装着しようと心に誓った。

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2023年4月14日 (金)

La tresse

04141_20230414213601  数日前に借りてきた本を読んだ。「生きながら・・・」の方は借りた日に書いて居た内容その物だったけど「三つ編み」の方は違って居た。
 インドの児童婚の話を書いてあるページに紹介されて居たけど、インドのダリットの女の子は出てくるけど児童婚の話では無くて「ジェンダー」に関する本とでも言ったら良いのか?。
 半分くらいから何となく想像出来る「上手な終わり方と題名だなあ」という気はするけど、世界各国で人気なのも良くわかる本だと思う。ただ私のような日本人のオッサンは読者として想定されて無い気もする。貸し出しの時に若い女性司書は何を思ったのだろう(笑)。
 この手の「女は・・・」「これだからフェミは!」的なオッサン連中が発狂して最後まで読めないような本としては、何年か前に読んだ「82年生まれ・・・」の方が後味が悪いと言うか心に重かった。これは自分自身が韓国と同じ儒教的な世界に生きているからでは無いかと思う。

04142_20230414215701 911じゃ無くて944だったか?のオルタネータ。初めてやるけど基本的な構造は似ているので違和感は無かった。
 レギュレータも新品支給なので組立後に確認試験だけすれば良いけど、問題はスリップリング。完璧にすり減って居る。

04143_20230414215701  惚れ惚れするくらい見事な摩耗具合だ。オルタネータばかりやって居る電装屋なら互換性のあるスリップリングを引き出しから探し出せると思うけど、うちはポルシェを中心に雑多な電装品をやって居るから在庫は無い。
 軽く探して無い様なら、以前のナローの時みたいに銅系の丸棒から削り出しで作った方が速い感じ。

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2023年4月13日 (木)

Dirt is not allowed in high-resistance circuits.

04131_20230413202001 不動の930用DMEの続き。燃料計のパワー回路が死んで居るのは解ったので放熱器に付いた素子を交換。
 これで行けるかな?と思って居たけど甘くて動かない。調べて行くとリセット回路かCPU本体か解らないけど、途中でリセットがかかって要る様な感じ。
04132_20230413202001  このDMEのリセットはパワーオンリセットに追加で、アイドルスタビライザの基準信号を使ってウォッチドッグタイマ的な回路が組んである。
 アイドルスタビライザのPWM周波数のオンオフの度にリセット回路のコンデンサが充電されてオンが続く感じ。
 その辺りがどうも不安定なのでリセットに使って有るコンパレータを変えたり、それでもイマイチなのでCPUを変えたりした。ICを外した下が汚れて居たのでそのたびに掃除したけど、外したICやCPUは他の基板では普通に動くので汚れが一番支配的だったのかも知れない。
 汚れが影響するような基板とは思って無かったけど、リセット回路には数百kΩとか1MΩの抵抗が使って有って絶対に無関係とは言い切れない抵抗値だと思う。
04133_20230413202001  こんなのエミュレータが無かったら絶対にたどり着けなかった故障だと思う。取りあえず動き出したので良かった。
 これは点火と燃料噴射のコレクタ電圧波形。


04134_20230413202001  これは燃料噴射のコレクタ電圧波形と電流波形。





04135  拡大したらこんな感じに成って、コレクタが導通して電圧がゼロの間に電流がズーンと立ち上がり、規定値まで来たらコレクタがオープンに成って電流がスーッと下がる。
 半分くらいまでの電流値に成ったらコレクタがオンオフを始める。それと同時にフライホイールダイオード回路がオンになるのでギザギザのいかにもPWM電流波形が見える。
 これだけの制御を1個のスペシャルICがやって居て、ごく希にこのICが死んで居る基板がある。これの互換品を作りたいなと数年前から思って居るけど出来て無い。今年こそ!。

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