It is too over-current.
ポルシェ993?のエンジンルームブロア。例のCCUに依って制御されて居るブロアで、中速に故障があると高速で回り続ける。
オーナーはOBD2の診断機を持って居るようで、それでも中速のエラーが確認出来たそう。
特にガタとか重さは無いので電源を繋いで回して見たら電流が凄い。
ケーシングやフラップが無いと大電流になりがちだけど、それを差し引いても12Vで20A、13Vで27Aも消費するのは今までに経験の無い大電流だ。
中速用の抵抗は内蔵されたバイメタルスイッチが開になっていたので手動でリセットした。そいつを直列に入れて回して見たところ中速でも12Aも流れる。普通に最高速での電流だ。
次に抵抗とバイメタルスイッチを試して見ると、自然冷却だと12Aだと30秒以下、10Aでも1分以内、7.5Aでも5Aでも2-3分以内にヒューズが作動した。
ファンの冷却風を当てるともう少し持つけど、12Aは流石に持たずに1分ちょっとでヒューズが動作する。
この写真では解りづらいけど、ブラシホルダの真鍮板も色が焼けた虹色っぽく変色している。そりゃ最高で27Aも流れたら焼けるわ。
ファンを外してモータ単体だとガタも無く静かに回る。電流も過大じゃ無い。軸受を手入れして組み直したけど過電流の傾向には変化が無い。ロータ単体にはして無いけど、隙間から測定した感じでは短絡は無いし、特定の巻線が焼けた感じは無い。
今の時点での想像だけど、界磁の磁力が弱くなって来てモータが高速型になって締まったんじゃ無かろうか。高速型のモータに標準用のファンを付けて回そうとすると、モータは当然の様に低速過負荷の状態になる。直流モータだと負荷と電流は比例するので過電流になるという流れ。
自分の車なら細い線を多めに巻いて低速型に改造するか、形の合うジャンク品を探して来て交換するかやりそうだけどこれは仕事。きちんと修理したいお客さんの様なので、純正品をお勧めして置いた。
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