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2024年10月17日 (木)

-2Pa (abs.)

10171_20241017215701  オークションで落札した新しいジャンクの真空ポンプが来た。こんなにデカくて20kg以上有るけど6,000円しかしない。
 殆どの用途はエアコンの真空引きなので、だれも20kgも有る様なポンプには入札しないのだ。

10172_20241017215701  繋いで直ぐは全然圧力が下がらずに負けたか?と思ったけど、今まで数多くのジャンク品ばかり買ってきた目が「このポンプは性能が出ている」と言う。
 そこで測定器を疑い始めた。大気圧近辺では正しい値を示して居るけど、真空に近くなると正しく無い。そこから内部に何かが入っていてその蒸気圧が悪さをして居るのでは無いか?と想像した。
10173_20241017215701  後ろの低い位置にある第二のポートを開けて見ると油の様な物が出て来た。これか?。そしてもしかしてこれが原因なら気圧計の勝負でも負けたのか?。
 説明書を見ていくとこの気圧計は液体も測定出来る。毒性とか爆発性の物はダメと書いてあるけど、それは危ないからだろう。SUS316Lかもっと上等な材質でも使って有るのかな?。
10174_20241017215701  そこで心置きなくシンナーとかパーツクリーナで内部をジャブジャブ洗浄し、圧を下げたエアガンで飛ばした。
 そうすると圧力が下がってきて、さらに大気開放と真空引きを繰り返したら更に下がってきた。この調子だ。
 あとは同じように真空引きと大気開放を繰り返して行くと、1サイクルで1Pa見当でサチレートする圧力が下がってきた。
10175_20241017215701  そしてついに0.000kPa、すなわちゼロPaの表示が出るようになった。素晴らしい。これの意味することは前回のキャリブレーションと同等の状態を作る事に成功したと言う事。
 しばらく待っていると表示にマイナスが出始めて、最終的に-2Paで落ち着いた。これって前回のキャリブレーション時に2Pa残って居たか、今回までの間に2Pa分だけずれたか、若しくは両方とも4Paとかもっともっとずれて居たか。 
10176_20241017215701 とは言っても前回まではまともな会社が校正しながら使って来たわけで、2Pa分はその後のずれだろうと思う。そして使用中に真空ポンプの油か他の液体か知らんけど、内部に混入させてしまったので真空が上がらなく成って廃棄というストーリー。
 取説には違う液体にするときはメーカで洗浄するように書いて有るけど、綺麗にさえ成れば誰が洗浄してもOKと思う(笑)。

 良かった。これで圧力計も真空ポンプもジャンクの勝負に勝った事に成る。もう少し数値が落ち着くようになったら、今の-2Paでキャリブレーションしよう。
 よく考えると絶対圧でマイナスとか変な話だ。メチャ頭の良い人の世界では絶対圧の虚数単位とか有るのかな?。
 理系の頭の良い女の子と話す時のネタとして、今までは「南半球の虹は色の順番が逆になるやん」と言うのを持って居たけど今回のヤツも使えそうな気がする。
 「ミツヤス君、絶対圧にマイナスは無いでしょ」と言われたら「ああ、そこは"虚数パスカル"だから」と返すのはどうだろう?。

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コメント

その油みたいなもののせいだとすると、前に試された島津のポンプや中華ポンプでも、もっと引けていたのでしょうね。

投稿: | 2024年10月19日 (土) 11時54分

 興味があったので試して見たのですがダメでした。あちらは今の性能が200Paとか100Paレベルの話だったのですが、今回のは70Paとか50Paよりも下の話です。
 島津のでは結局100Paくらいまでしか到達出来ませんでしたし、中華は不安定で200とか300Pa辺りをフラフラしてます。
 性能のゾーンが違うという面に加えて、蒸気圧の影響するゾーンに来て初めて悪さをする感じなのかも知れません。

投稿: みつやす | 2024年10月19日 (土) 12時25分

これはこれは。当たりを掴めて良かったですね。

工場で鶴見の水封式を使ってました。安くて、摩耗箇所が少なくメンテ要らずです。

そのうちそちらで真空ポンプの再生整備品を販売し出したら、儲かるんだ、と思うことにします。

投稿: た | 2024年10月19日 (土) 20時22分

もしかして、形から液封式真空ポンプではないかな? 液体を入れないと封止が効かず真空度が上がらないのと、液体が潤滑冷却を担ってるので、そのまま運転するとオシャカになると思います。

投稿: た | 2024年10月19日 (土) 20時33分

 油が入って居ました。汚れて居るのか最初から飴色なのか解りませんが、汎用の真空ポンプオイルに交換したけど大して変化は有りませんでした。入れたオイルは透明でした。
 型式は「回転翼形・2段」と成って居ます。そして使用油量が0.9Lと。

投稿: みつやす | 2024年10月19日 (土) 21時06分

油回転型真空ポンプという型ですね。その型は使ったことがありません、液封式、水封式とは型が違いました、失礼しました。

少し調べたところ、油回転型は液体を封止に使う設計思想は水封式と同じです。ということは液体の粘度ー温度性能が到達真空度や効率に関係してきそうな気がします。

タンクに水が溜まるのでたまに排水してくださいねー

投稿: た | 2024年10月20日 (日) 20時28分

液体は規定量より多過ぎると効率悪くなっていき、少な過ぎると真空度が上がっていくと思います。

連続使用を前提に、組み合わせる電動機の定格出力に合わせて、液体規定量と液体粘度はロバストめに設計指定していると思います。

到達真空度を追うなら、液体粘度と規定量の組み合わせを、設計指定値よりも追い込めると思います。

あるいは、jisフランジ枠番同じのもう一段上のモーターに取り替えて、ごにょごにょ笑

投稿: た | 2024年10月20日 (日) 21時12分

 ありがとうございます、今日は溜まって居た仕事をして居たので趣味の?真空遊びは出来ませんでした。
 明日以降に色々試してく積もりです。ホースもインチキの塩ビホースではいかんのだろうな・・・と考え中です。

投稿: みつやす | 2024年10月20日 (日) 21時37分

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