Repairing a broken Variometer.
今日はちょっと珍しい画像の紹介。久住の格納庫のジャンク箱の中から壊れたバリオを持って帰ってきた。今日はそれで1日遊ばせて貰ったのでその話を書いてみたい。
馴染みの無い人も多いと思うので簡単に説明すると、バリオとは航空機に装備される昇降計で単位時間内にどのくらい上昇・下降して居るかを示す計器。
構造的には敏感な差圧計と通称「魔法瓶」と呼ばれる断熱されたペットボトルくらいの大きさの瓶とオリフィスが組み合わされる。
魔法瓶の中には周囲と同じ空気が入っているけど、航空機が上昇すると廻りの空気の圧力は低くなる。でも魔法瓶の中にはちょっと前の圧力の高い空気が入ったままなので、両者を差圧計で測ると圧力の差、すなわち高度差がわかるという仕組み。
魔法瓶と差圧計を直結だと何時までも「スタート地点の空気」としか比べられないので、魔法瓶の中の空気をオリフィスを通じて大気に少しずつ解放する事で、魔法瓶の中の空気は常に「ちょっと前」の空気に保たれる。ちょっと前の空気と周辺大気との高度差は上昇率になるという理屈。
自家用や整備士を受験する人はまともな本を読んで勉強して欲しい。私の話と作業は何時もいい加減なので参考には成らん(笑)。
円筒形の窪みの中に黄色い長方形の板が見えると思う。これは何かから脱落した部品でカラカラ動いて居た。
取り出すとこんな感じで真鍮板を加工して作った小さな部品。これが昇降計の説明図に出てくる「ベーン」と呼ばれる部品になる。本来ならメータの軸と一体に成って居るべき部品。
軸との結合部をよく見ると半田付けみたい。試しに半田鏝を当てると溶けたので間違い無く半田付け。
薄板の端面を半田付けで済ますとかWinterさん、構造的にどうよ?と問い詰めたい気持ち。
真面目に修理する訳じゃ無くて技術的な興味からの作業だから、適当に保持して適当に半田付けしてみた。
仕切りの板と干渉するので本当に端面以外の半田は削り取らないとフルスケール動かなかった。もう一回言いたい、この構造ってどうよ?。
取りあえずでっち上げて組込んでみた。教科書通りの構造をしている。なんか嬉しい。
上蓋の部分。円弧状の溝が先に書いたオリフィスの役目をして居る。
ブツブツした物体は緑青系?のブツブツ。これがバリオの針が引っかかる原因の一つの様だ。あとは静圧口から入って居た異物とか色々。
今回の様にベーンの再半田とかで実用的な修理は無理と思うけど、この蓋を開けて綺麗に研磨したりベーンの周囲を掃除するのは行けるかもしれない。
でも「JA○○○○のバリオを修理しました!」とか書くと資格警察の人から怒られるかもしれんので(笑)、実際にやっても書かん方がこの国では平穏に暮らせるな、ヤナ国と時代だ。
それっぽくなって来た。でもベーンの直角が出て無いのでフルスケール綺麗に振れない。まあ教材なので問題無い。。。と言い訳。
修理前は針がフルスケールの位置に振れっぱなしだったけど、今はそれっぽい姿になった。
もし治ったら検討中の高度計試験装置に使おうかと思って居たけど、サーキュラーとか確認して行くと5m/sの変化率は敏感すぎる事が解って来た。試験装置に使うならもっと荒っぽいヤツをジャンクから拾ってこないといけない。それか隙間を大きくして「鈍く」改造するかだ。
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