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2024年8月23日 (金)

Strange control scheme

08231_20240828084601  電動エアコンの為に交換した高出力オルタネータ。放電気味でエンジン始動できない事が有ったりする事からの点検依頼。
 100Aを超えるような出力の試験は出来ないので、基本機能と低中速域だけの試験という事で受けた作業。
 このオルタネータの最大出力を検証するにはどのくらいの試験機が居るんだろう?。14Vで170Aだと単純計算で2.38kW。そうなると駆動モータは3.7kWか下手したら5.5kWが居るんじゃ無かろうか。普通の整備工場のレベルじゃ無いな。
08232_20240828084601  まず変だと思ったのは無負荷の消費電流。キーオン時だから暗電流とは違うけど、チャージランプとは別に回路だけで450mAくらい食っている。
 チャージランプは両端の電圧差で点滅する方式では無く、回転を始めたら電子回路でスパッと消灯するタイプ。これは一時期の国産車にも沢山有るけどコイツは消灯のタイミングが少々早すぎる気もする。
08233_20240828084601  一番気になったのはB+端子の消費電流。オルタネータのB+端子はでっかいダイオード経由なので電流が流れ込む事は無いけど、コイツは何故か流れ込む。
 色々と挙動を探ってみたり消費電流の値から想像するに、フィールドコイルの駆動電流を自分の発電した分から出さずにB+端子から引っ張って来ているらしい事が解って来た。航空機事故報告書でいくと「推定される」状態だ。
 3枚目の写真は極低速域の状態だけど、B+端子電圧が12.5Vくらいの時に6A「消費」して居る事が解る。なかなか面白い挙動だ。
 フィールドコイルの駆動電流を自分の発電から出す場合、回路に依ってはバッテリがほぼ死んで居ても自己起動出来るメリットが有る。その反面初期の発電電流をフィールドコイルに取られてしまうので立ち上がりが遅い。
 今回の様にフィールドコイルの駆動電流をバッテリから取る場合、発電するには元気なバッテリが必要となる。しかしフィールドコイルは極低速域からフル励磁されて居て発電機単体での電圧の立ち上がりは速い。
 車体全体としては同じ事に成るけど、バランスというか動作点をどのように考えるかがキモかもしれない。今回の場合はB+端子しか無いのに電流を吸い込むという仕草がウーンだったのと、トリッキーと思われる構成を壊すのが怖かったのでこれ以上は入り込まない事にした。
 多分メーカ的には「正常です」の判断になるんじゃ無かろうか。極低速の話はアイドルがそれ以上で有れば問題無い訳だし、車両全体で考えれば自励式と同じ事。ガンガン回して居る時には「170A出てますよ」の回答になりそうな気がする。
 ただ市街地走行が多い様な車に適して居るか?と問われると違うかもしれない。そんな車には最高回転まで回さない事を条件にオルタネータのプーリを小径化するなどの対策の方が有効かも知れない。
 まあ自分の車じゃ無いので深追いは止めとく。

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