The most difficult cause to discover.
「おらぁ、なに休んどんじゃい!、ポルシェターボが止まっとんじゃ!」とネイティブとは少し違う関西弁で脅されたので仕事もして居る。
不思議な見た目の6ピンCDI。裏蓋やネジ類は再メッキされていて、メインコンデンサの固定リベットもピカピカ。ツェナーの固定部も純正と違うシール剤。
内部を見ると全部の抵抗と一部の部品が交換されている。でもトランジスタは古いままだしメインコンデンサも古いまま。
確実にどこかでOH作業が成されて居る事だけは確か。
トランス固定ナットも純正と違うのでやり替えて有る。メインコンデンサは一旦外して再度鉄リベットで固定して有る。
でもESRが結構高いので交換した方が良かったと思うんだけど。。。
いつもの様に作業を進める。ここまでは順調というか普通通り。
新しいメインコンデンサの容量とESRはこんな感じ。体感出来るかどうか解らんけど、CDIの放電電流は馬鹿でかいパルスなので、ESRが高いとかなりロスが出たり発熱したりしそう。
ここからが試練の始まりだった。普通に組んで試験するけど動かない。まずはDC-DCコンバータが発振しないわけだ。
色々見たけどメイントランジスタがオンオフ為て居らず、ベースに駆動波形がきて居らず、再分解してトランジスタを測定しても異常が無く、トランスを再測定したけど問題は無く、仕方なしに新品トランジスタを付けたけど症状は変わらず、何だかんだで丸々2日くらい費やしてしまった。
で、2枚目の写真が今回のCDIだけど、7枚目の写真は今までにやってきたCDIの写真。全ての作業前後や作業中を写真に撮っているので古いのを見直してみた。すると、今回のCDIだけトランスの配線が違っているのを発見した。
信じられないけど、今回のCDIだけベース巻線の巻き方向が逆になって居た。そしてそれを修正する為に今回の分解前の写真だけど配線が逆に接続されて居た事を発見。
もう何十台も作業したし自分の所でもトランスをゼロから作ったりもしている。でも今まで逆に巻いて有るトランスなんか見た事が無かった。はあ。。。。。。
ベース巻線の配線を逆にしたら動き出した。インダクタンスとかは正常なんだから当たり前の話だけど、なぜ前回の工場ではわざわざ逆向きのトランスなんか作ったんだろう。
こんな仕様じゃBOSCHの基板と組み合わせる時に配線を弄らないと行けないし、単体で販売する事も出ない。何のメリットも無いと思うんだけどねえ。
もしかして自社以外では次の作業を不可にするための小細工だろうか?。流石にそんな事はせんだろうなあ。だとすると間違って巻いてしまい、そこの工場でも誰かがウーウー言いながら最終的に原因を見つけて配線を逆に繋いで出荷したと言うストーリーかな。
トランスの神様ありがとう。楽しませていただきましたよ。
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