The dual advance mechanism
930SC?のディストリビュータが完成した。完成後の遠心進角カーブはこんな感じで、明らかに2段階の進角カーブを有して居る。
最大進角はこのグラフでは15度くらいだけど、うちの試験機が2900rpmから3000rpm辺りまでしか回らないのでもしかしたら3100rpmとか3200rpm辺りまで回したら16度くらいまで行くかも知れない。でも単体での角度もその辺りで止まる様に調整したのでそれ以上は行かない筈。 まあ今の時代に空冷ポルシェのエンジンを6000rpm以上までガンガン回す人は希だと思うけど、データを明確にする意味でも4000rpmくらいまで回る様に試験機を改造しよう。
2枚目のグラフは末尾が違うけど同じエンジンに使われて居るほぼ同等の進角データ。ほぼ一緒の形に収まって来たのでOKと思う。 バキューム進角の方はこんな感じで前回のターボの変化に比べたら進角幅が少ない。でもこっちは「進角」側。
このデスビは社外品のフルトラユニットが組み込まれて居たけど、中心にある怪しい磁石ユニットは意外と正確で各気筒の点火時期のブレは±1度以内だった。 で、分解直後に撮影した遠心進角機構の写真でも見て貰おうと思う。
こちらは一般的な重りとバネの機構で、遠心力で重りが外側に引っ張られて、その力とバネが伸ばされた反力が釣り合った場所までカムが回転すると言う機構。 面白いのは反対側のバネで少し形状が違う。これが2段目の進角カーブを実現しているキーポイントと成る。
よく見るとガタがある。このガタの分だけは弱い方のバネだけで仕事をして、このガタが無くなるまで重りが外側に移動したら初めてこちらの太いバネが働き始める構造。
最大進角のストッパもそうだけど、鈑金物で出来た適当な位置決め機構と微妙な隙間や位置関係で特性が決まる。機械式レギュレータと一緒で、車上で適当に弄って近いところまで持って行くのは難しいし手間ばかりかかる。
単体で電源装置や試験装置を使って調整を済ませ、車上では異常の確認をするのが一番労力の少ないやり方だと思う。
そういえばちょっと前にフラッシュダンスの歌を歌っていた人が亡くなったニュースが有った。「犬とポルシェと溶接機」と言えばフラッシュダンスだけど、3.2Lの前の時代なので、あのポルシェはまさにこのディストリビュータが付いたSCだったかもしれない。
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