Confirmation of FRP work
注文していたガラスクロスが来たので実際の作業前に確認をしておく事にした。
今回初めて異方性のクロスを使う必要が有るから。しかもその異方性の具合が10:1くらいと極端なので、積層作業に於いて何らかの注意点が有るんじゃ無かろうか?と思って。
気分を出すためにプラスチックの板じゃ無くて合板を選んだ。そしてテーパに削ってみた。
最終的にこれはテスト用として最適な素材じゃ無かったのだけど、この時はそんなに大きな問題では無いと思っていた。
異方性クロスの切り出しは少し難しい。鋏は荒いダイヤモンドヤスリで研いだ直後が良い感じ。そして切る向きも大事な事が解った。
最後の補強層とピールプライ。ピールプライは中国から買った激安品。それの確認の意味もある。
1層目は繊維の方向が左上から右下へ。型番は92145だったか?。
2相目は1層目と同じクロスを右上から左下へ向かって積層。
3層目は等方性の薄いクロス。製作時はこれがゲルコートの上に最初に載る層となる。92110。
やっぱり等方性は作業がしやすい。こう言う感覚的な物を知るだけの為にも事前に試してみる事は大事。
最後は補強用の92140。これは積層計画図だとエアブレーキ開口部周辺だけに追加してある層。
でも今回は実際にクラックが入って居る事や、FAAの作業要領だとアメリカ的に「無条件に1層追加しとけ」的な文章も有るくらいなのでほぼ全面的に追加の予定。
このクロスは慣れているのも有るし、1枚で厚みも出しやすいし、3次元の面にも沿いやすいので好きなクロス。
全部の積層が終わった。2層目くらいから気がついたけど、ベニアが樹脂を吸い込んでベニア表面と1層目の間に隙間が出来て居る部分が有る。
キチンと検証するなら最初に樹脂コーティングして硬化させておくべきだった。まあ今回は積層作業の確認なので問題無い・・・と自分に言い訳。
ピールプライを被せる。樹脂を吸う感じは高級品と変わらない。
ビニールを被せる。
開口部の横なので真空引きが難しい。スポンジと何らかの「力」で圧縮しようとしたけど苦戦中。
ビニールの上に重りを細かく乗せてみた。樹脂に適度に加重が加わるし熱も伝わる。これで行くか?。
1時間くらいで硬化したので重りは外した。部分的な補修だしこの上にパテを盛る。今回は樹脂を必死で追い出しても重量強度比は変わらない。今のところ、このやり方がベストかな?。
実際の作業まで悩むけど。
本番では12時間の後加熱が必要だけど、面倒臭いので6時間で止めた。
安物ピールプライはキチンと機能して居る。素晴らしいよ。
できあがり。へこんだ所の厚みを測定して見たけど、各クロスの積層厚みを合計した値に近い厚みに成って居た。このやり方で悪くないと言う事だ。
ここまで来れば、あとは大きな失敗さえ無ければクラック修理が完了する。最後のパテ削りと塗装は見苦しく成ると思うけど、今回の主目的は構造部材のクラック修理と今後へ向けての補強、改善なのだから見栄えは問われ無い。。。というのは五月蠅いヤツらには通用せんのだよ、ウネウネして居るとか言うやろうなあ(笑)。
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