Noise reduces ignition energy.
昨日書いた点火信号にノイズが乗っていると点火エネルギが減少してしまう話。具体的な例を示してみたい。
黄色はデスビからの信号で、任意波形発生器を使ってかなりノイズが乗った状態をシミュレートしている。
緑が点火用サイリスタのゲート電圧なのでここが点火と考えて良い。これは正常な例。
こちらはノイズが増えた状態を検証する為に、1枚目と同じ波形の電圧を少し増大させた信号を入れて居る。
すると本来の点火では無い排気上死点の辺りでも点火してしまって居る事が解る。
こちらは点火用コンデンサの電圧波形で、デスビからの信号は300Hzにして居る。エンジンなら6000rpmに相当する。
次の点火までに308Vまで充電できている事が解る。100:1のコイルなら2次側に3万Vまでの電圧が発生できる。これが正常な状態。
こちらは排気上死点でも点火してしまって居る状態。点火の周波数が600Hzに成っているのでエンジン回転数なら12000rpmに相当する。3Lクラスの乗用車エンジンの回転数じゃ無い。
この場合のコンデンサ電圧は240Vまでしか上昇出来ていない。それは仕方の無いことで同じDC-DCコンバータを使って充電しているのに、正常時の半分の時間で点火(=放電)されてしまうんだからこういう結果にしか成り得ない。
この例から解るように、いくら新品とか完璧に整備したCDIやコイルに交換しても、デスビのセンサや途中のケーブルなどに問題が有ると正規の性能が得られない事が有る。そしてこの手の事は内容を理解したメカニックが時間をかけて調べないと解らないので嫌らしい。
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