Porsche's 6-pin CDI
ちょっと前に来ていて、受け入れ検査と分解までしていた6ピンのCDI。そろそろやらんといかんので組立始めた。
このCDIは「X」みたいなマークが書いてあるし蓋も基板もネジが外して有った。こんな状態じゃ動かないだろう・・・と思いながらも、一応は受け入れの検査で信号を入れて見たら普通に動いた。
まあ動いたからと言ってやる事は一緒だけど少しだけ拍子抜けだったり、妙なトラブルが隠れて居るんじゃ無いの?と疑心暗鬼。
トランスは測定してもOKだった。メインコンデンサも容量はほぼ問題無くてESRとかの質的な数値も今までで一番良いくらい。でもせっかく分解したので現代のCDI用に交換。
あとは基板上の部品を数点というか10個くらい交換したら作業的には完了。このCDIは入力信号の閾値を調整しないといけない。ただ少し悲しいのはLM1815みたいな優れた方式じゃ無くて単純な比較なので大きめのノイズが入ると誤動作する。
この場合の誤動作はサイクルの丁度半分で起こりやすく、エンジン的には排気行程の上死点で「も」火花が飛んでしまう。これだけなら全く悪い事は無いし、もしかしたら排気ガスが綺麗になる可能性が有る。たしかアルファのツインスパークの説明にそんなのが有った気がする。
で、問題なのは点火系のエネルギ。エネルギの総量は初段のDC-DCコンバータで決まっている。だから高回転になるとコンデンサの充電電圧が低下してくる。
もし通常の点火の半分の位置でも点火をしてしまった場合、例えば3000rpmでも6000rpmと同じ頻度で点火をしてしまう。これが意味することは通常よりも2倍の速さでコンデンサ電圧の低下が進むという事。
3000rpmが6000rpm相当ならまだ良いと思うけど、6000rpmが12000rpm相当だと解るくらい効いているはず。この状態の車を運転した事は無いけど、テスト機では電圧が200Vくらいまで下がってしまう。たぶん失火するはず。
と言う事で、こういうのを気にする人で回路の完全なオリジナルには拘らない人は、LM1815を使った入力部に変更する事をお勧めします。箱の外からは解りませんし、相当ノイズまみれの信号からでも正しい点火位置を見つける事が可能に成ります。
| 固定リンク
コメント