Type A Ford starter motor
先日から入って来ていたA型フォードのセルモータ。3月末頃という話だったけど、載せ替える予定のエンジンを単体で始動確認する事に成ったので、急遽動くセルモータが必要になった。
手元に3台あるけどまともなのは1台も無い。依頼者からは壊しても良いから3個イチで動くのを作ってくれと言う依頼。
先端のワンウェイクラッチ?の構造がイマイチ良くわからん。でも壊れては無い感じなのでそのまま組んでしまう。
軸端を叩いたら潰れてしまい、膨れた部分をグラインダで削ったとしか思えない状態。目で見て解るくらい軸端も傾いているし、、、どんな叩き方をしたらここまで変形するんだろう?。
形だけそれっぽくしてもモータは回りません。回らないどころか接地してしまって居るからショートして要るはず。
YouTubeにインドとかパキスタンの自動車整備とか再生の動画有って、賞賛するコメントも有れば先進国らしい小馬鹿にしたコメントも有る。この作業をやったのがアメリカか日本か知らないけれど、これを見る限り彼らの整備の方が何万倍もまともだ。彼らの作業はクランクシャフトを地べたに置いたりするけど、理屈に合っているし結果が出ている。
一番まともそうなロータを整備してみた。ただコイツは軸が曲がっていたのでパキスタンを真似して銅ハンマでぶっ叩いて修正した(笑)。目視で0.03mm以下に修正出来た気がする。
フィールドコイルが短絡しているので見ていくと、保護皮膜の角が破れて界磁鉄心とコイルが接触していた。
時間が無いので0.15mmのファイバを間に挟んで誤魔化した。単体始動が出来たら全部バラバラにしてまき直さないとダメだ。
このほかにも色々やってようやく回るようになった。こんな事の為に仕入れた6V-100Ahの巨大なバッテリが大活躍。
これはエンジン始動用じゃ無くて据え置き型。だから長寿命だけど大電流には弱い。弱いとは行ってもこのサイズだからガンガン回る。ブースターケーブルが見当たらなくて2sqで回したら電線から煙が出た。ハハハ。
たぶん誰も解らないと思うけど、これが始動用スイッチの中身。
セルモータの上にこのスイッチが載って、斜めに出た棒の先端を足で踏みつけると電極が接触してモータが回る仕組み。要はプランジャの代わりを自分の足でやれという話。
こんな構造誰が考えたんだろう?。奇跡的な配置の産物と思うけど、もし右ハンドルに改造しろと言われたら大ごとだったはず。
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コメント
いつも楽しく拝見しています。
セル始動SWですね。昭和30年ころだと思いますがオート3輪全盛で運転席はエンジンにまたがってキック、高級?なやつはセルモータの上に足踏みSWがあってそれを運転主が踏んづけてエンジンをかけていました。遊び場近くでオート3輪を見るのが日課でした。確かクロガネとかミズシマなんていう会社がありました。昔の話!
投稿: JA2VW水島 | 2022年2月11日 (金) 22時21分
この方式を現役でご存じの方からコメントを戴けるなんて!!。
そうか、セルモータが付いて居るのは高級な車種だった訳ですね。バイクで考えれば確かにその通りでした。
投稿: みつやす | 2022年2月11日 (金) 23時01分