地磁気をかき消さない様に
pixhawk用標準機ST450型もだいぶ安定してきた。今回は自分が使う電流で自分の電子コンパスをできるだけ乱さない為の話。
すでにこの機体はそれなりの対策をしている。動力線の配置を考えたりDC区間はプラスとマイナスを接近させてより合わせるとか。
そしてミッションプランナーにはその効果というか、モータ電流が電子コンパスに与える影響を測定してキャンセルする機能が有る。
そのためにはモータを実負荷で回す必要が有り、英文マニュアルにはプロペラを裏返しに付けろとか書いて有るけど、ネジロック式だとそうはいかない。
そこでブロックに機体を括り付けて浮かない様にしてモータをブン回す事にした。
最初はUSBケーブルでやろうとしたけど、ケーブルが危ない感じだったので無線に変更した。以前にやったときはアッテネータが完璧すぎて飛ばなかったけど、抵抗を外してアンテナの長さを調整して2mくらいまで届くようにした。
これでプロペラを気にせずに試験が出来るし、飛ばして着陸させたらケーブルを接続しないでも常数を変更する事が出来る。距離も2mならどう考えても微弱無線の出力に入っていると思う。高い金を出して測定してシールをもらうほど順法精神に満ち溢れて無いからカンジニアリングで済ますけど。
色々と試行錯誤を繰り返して来ただけあって影響は5%程度に収まっている。すぐ近くに10A以上流れる電線が有るのに、地磁気の方が強いとか素晴らしいじゃないか。
こうやって試験したら自動的に補正値が算出されて入力される様になっている。そのデータが最後の画像。
上の3個がポール上に設置したGPS内蔵のコンパス。下のMOT2と書いて有る3個がpixhawk本体に内蔵されたコンパス。流石に動力線に近いからこっちは補正値が大きい。
mGauss/Aの1項目しか無いという事は、これにオフセットを入れてY=aX+bの形で補正しているんだろうか。aが表の数値でbがくるくる回してセットするオフセット値とか?。
もしそうなら、影響を調べる試験の時はむやみに全開にしない方が良さそう。もし全開でaの値が大きく出るような傾向が有れば、通常使用時に過大な補正をしてしまう。そんな考えもあって、最初は全開にしていたけど最終的には7割くらいでテストしている。
補正係数で一番デカイのは5mGauss/A。これだと10A流すと50mGaussの補正に成る。50mGaussは今風に言えば50000nTだから今の福岡の地磁気を少し超えるくらいの結構大きな値。50mGaussは今風に言えば5000nTだから今の福岡の地磁気の1割強に相当する値、もう少し煮詰めたい。
Y軸は機体の左翼から右翼に抜ける軸。これに対して動力線は本体の下をX軸方向に、すなわち前後方向に抜けている。この動力線による磁場は右ネジの法則?で本体に対しては左右に発生するので、Y軸の磁気センサが一番影響を受けた現実と合う。
うん、先人たちが考えた理屈はちゃんと合っている。もう少し影響を少なくしないと、ガウスさんやテスラさんに怒られるな。
2020年12月22日 誤記修正
| 固定リンク
コメント