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2020年11月10日 (火)

航研機

11102_20201110201101  今まではTAROTの制御機器をむき出しで飛ばしていた。それだと見栄えとか空気抵抗の問題もあるけど、pixhawkの場合は本体が空力的に振動してジャイロに悪影響が出そう。
 という事で純正のカブトガニみたいなカバーを付けて確認飛行をしていると、急ブレーキの時にパーンと外れてひらひら落下。航空機から部品の落下はインシデントで航空局に報告かな(笑)とか思いながら、稲刈りが終わった自分ちの田んぼで良かったと拾いに行った。
11102_20201110201101  激しい運動には純正のグロメットにつまようじを差し込むみたいなやり方は温い気がしたので、とりあえず即席のキャノピーをポリカ板で作った。



11103_20201110201101  試験経路も変えた。点と点を繋ぐモードだとウェイポイントで止まってしまうので、今回はスプラインモードで命令を作ってみた。Gコードと同じく小さなカクカクの連続だと思うけど、実用上十分に細かければ連続して飛んでいるように見える。速度も一定で飛んでくれる。
 1周が1006mのコースをオートモードで飛ばし、1周毎にリセットして再スタートの飛行方式。試験前に引込脚が壊れた所も含めて航研機みたいだな、とか思いながら飛ばした。
 こんな話は米田が詳しい。ただのオタクじゃ無くて航空力学の本職だし、前職では無人ヘリとかやっていたはずだから近所なら機体をもって行って話を聞きたいところ。
 たぶん航研機からA-26とか新視偵とかまで話が飛んで収集が付かなくなる気がする(笑)。
11104_20201110204501   脱線せずにデータの分析でも。
 周回数
1周が1006mのコースを15周して15㎞飛んだ。今回は下限が14.4Vに引っかかった時点でやめたけど、中央値が14.4Vまで粘れば、16周は確実に行けたと思う。その後は容量をどこまで使うかの判断に成るけど、電圧カーブから想像すると17周とか18周に届いた可能性はある。でも今の仕様では20周には届かないと思われる。
 速度
8m/s設定で飛行した。今までの例もそうだが最大が8m/sで下に振れる傾向が有る。
 飛行時間
13:00:05から13:37:04まで36分59秒飛んだ。
 電圧
14.4VでRTLのアラーム設定をしていた。送信機もテレメトリで14.4Vでバイブ設定。15周目に14.6Vと14.5Vを行き来し、2回ほど14.4Vが出たのでここでやめにした。着陸してディスアームしたら14.7Vまで回復した。残量計では15%残りの表示。
11105_20201110204501   エネルギ
全体で452464J使った。離陸からスタートまでに9181J。15周の終わりから着陸まで452464-444958J=7506J。周回の間に1回が75670-72617=3053J使っていて、これが15回(初回は戸惑ったので2回カウント)なので、3053x15=45795J。これから15㎞飛行に要した純粋なエネルギは452464-9181-7506-45795=389982J。よって1m飛ぶのに必要なエネルギは389982/15000=26.0J/m
 バッテリエネルギの検討
14.8Vで10000mAhは532800J。これの85%は532800x0.85=452880J。今回の総使用エネルギは452464Jなので気持ち悪いくらい合っている。
11106_20201110204501   ピッチ角
最初の風が弱い時は-6度程度で一定。途中で風が吹いてきた感じがしたが、その時は-12度から-3.5度程度の幅で変化している。
11107 まとめ的には、 弱い風と思って居たけど、向かい風と追い風でピッチ変化が結構有った。迎え角固定で主翼を付けてみようと思って居たけど、ジンバルの機能を流用したりして迎え角を制御しないとダメそうだ。
 基本的なデータがとれたし感触も得られた。この延長線上で航続距離に特化した機体を作れば、たぶん20㎞は行ける。安定して25㎞飛べるようになったら本当に大島往復をやってみたい。
11108  これは帰宅後に充電して入った量。計算上は8500mAhなので、これもほぼ合っている感じ。
 充電効率を考えるとちょっと少ないかな。寒い部屋が悪かったかも。

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コメント

素人ながら、移動に必要なエネルギーより浮かぶのに必要なエネルギーが大きいのでは?と思いました。6m/s で210W 10m/s で230Wなら、浮かんでいるのに必要なのは180W 速度1m/s あたり5Wになります。8m/s なら 180+5*8 = 220W で、220/8 = 27.5W それぞれ誤差があるし、結構いい近似では?

投稿: | 2020年11月11日 (水) 08時56分

 そうなんです。この機体はホバリングだけでも10000mAhバッテリなら200Wくらいは消費しているので、ホバリングを目的としないなら効率の悪い機構ですね。

 移動時の効率とか色々と考えていくと、最終的にオスプレイが出来上がりそうで苦笑してます。

投稿: みつやす | 2020年11月11日 (水) 10時01分

浮いているのに必要なエネルギーが支配的なら、如何に速く飛ぶかということではないですか?12m/sが240Wなら、458820/240*12=23km飛べるのでは?

投稿: | 2020年11月11日 (水) 20時59分

 おっしゃる通りに、もう少し早い所に最適値が有りそうな気がしていて、できるだけ同じ条件を選んで10m/sあたりを試す予定です。
 12m/sとかそれ以上に成ると、急減速したときの挙動が不安定な時が有り、この辺りは安定性の制御を煮詰めてからになりそうです。

投稿: みつやす | 2020年11月11日 (水) 21時09分

なるほど、安定性の問題もあるんですね。

投稿: | 2020年11月11日 (水) 21時37分

 安定性は私のセッティングが悪いだけです(笑)。

 胴体やアームの抵抗が高速飛行に最適化されていませんので、ある領域から加速度的に水平抗力が増加するんじゃないかと予想してます。

投稿: みつやす | 2020年11月11日 (水) 21時40分

自転車でも30km/hをこえたあたりから急に負荷が重く感じるのと同じでしょうか?

投稿: | 2020年11月12日 (木) 09時10分

 空気抵抗は速度の2乗に比例しますから、速度を上げた時の必要仕事率は3乗に成りますね。
 これに加えて一般的なドローンはどんどん前かがみに成って抗力係数的にも不利になりそうです。
 この冬の間に専用機を作ってトライですね。

投稿: みつやす | 2020年11月12日 (木) 11時56分

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