不導体皮膜
メグロのダイナモが2個にレギュレータが2個。発電しないという話だけどどちらが悪いのか解らない。もしかしたら車体側の配線とかかもしれん。取りあえず来た物だけを見ていくしかない。
ダイナモから見ていったけど、作業に何となくアンバランスな感じを受けた。本体外周はピカピカに磨いてクロームメッキまでしてあるけど、アルミ部分はそのままだったり、ブラストしたザラザラの肌のままだったりと言う感じ。
発電不良の主原因はコンミュテータ表面の絶縁皮膜だった。一見して当たりが付いた感じの汚れ方に成っているけど、何度試してもブラシ経由で数100Ωレベルの抵抗値。アーマチュアの抵抗なんか1Ω以下のはずで、ブラシ経由でも精々1-2Ωに収まらないとおかしい。
で、色々と見ていくとコンミュテータの表面に付いた黒い皮膜が「絶縁体」だったわけ。まあMΩの単位じゃ無いので「絶縁体」は言い過ぎだけど「半導体」くらいの抵抗値は有る。
ブラシはほとんど減ってないから、割りと早期にこんな状態に成ってしまったのかもしれん。念のためにコンミュテータを再研磨し、手持ちのブラシを付けたら発電し始めた。コンミュテータの偏芯が結構有ったので、前回は旋盤じゃ無くて手作業で紙ヤスリで磨いただけと思われる。一の作業にケチを付けたくないけど、あんまり宜しくないと思う。
あとはボルト類がブラストか酸洗いしてあるのだけど、そのままなので一気に錆びまくり。再メッキしないなら古いメッキ層は取らない方が良いと思う。若しくは組んだ後で塗装するか。
一つ解らんのはロータ側の電磁鋼鈑の処理。積層が解らないくらいまで削って磨き込まれて居り、見た目も電気的にも一体化している。
この部分は鉄損を避けるために多層の積層構造と成っており、層間は薄い皮膜で絶縁されている。その表面をこんな感じで一体に成るまで磨き込む事はどうなのか?と言うわけ。
私も錆が酷いヤツとかは磨いたり削ったりするけれど、錆びた凸部が消えたら止める。気持ちとしては絶縁被膜が見える感じで層間の絶縁が確保できていたら良いな・・・と思いながら。
この部分の電流はどう流れるのだろうか?。シャフトの組み付け部とか表面で一部だけ接触していても、大半の部分が絶縁被膜で絶縁されていれば実害は無いのだろうか?。この辺りは入門的な資料を読んだくらいでは出てこなかった。
バイク 12km
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