Hブリッジの還流方法
基礎的な所から理解して行こうと思い、プリミティブなHブリッジと単純なPWM駆動の実験をしてみた。
出力には秋月で入手可能な範囲のコイルとコンデンサを付けてフィルタのつもり。
出力波形はこんな感じでそれっぽい。オーディオ屋さんは卒倒するレベルだけど、自作のパワー回路なら十分に許容範囲じゃ無かろうか?。と自分に甘い私。
このときの駆動状態を詳しく見ていこうと思い、オシロのGNDを電源の0Vに接続し、2チャンネルをそれぞれ出力というか負荷の両端に接続して観察してみた。
別の言い方をすればHブリッジの右の列の素子の中間点と、同じく左の列の素子の中間点の電圧を観察している事に成る。
右上と左下の素子がONの場合はこんな感じで電流が流れる。
そしてその時の波形はこんな感じ。黄色が左側の中間点で緑色が右側の中間点。
黄色が低くて緑色が高い部分が3枚目画像の状態を表している。そしてその次の電位が逆転している部分、黄色が高くて緑色が低いのは素子が全部OFFに成った瞬間に、負荷のコイル成分に貯えられていたエネルギが還流している部分。
回路図的な電流経路はこんな感じに成るはず。左上のボディーダイオード経由で+電源に流れ込み、右下のボディーダイオード経由で -電源から流れ込む。
全電源電圧を150V、ボディーダイオードの電圧降下を1Vとしたときの負荷両端の電圧は左側が151Vで右側は-1Vに成ると思う。
で、ここで考えたわけ。私が買ってきた3冊のインバータ自作に関する本は全てこんな説明に成っているし実際もそんな風に電流が流れる。でも通常のHブリッジじゃないPWMに比べてロスというか還流させるために必要な電圧が高すぎ無いかなあ?と思うわけ。
負荷に並列にダイオードを入れるのは、出力が交流で向きが変わるから無理。なんとか実現できそうなのは左図のイメージで、還流期間も左下の素子はONのままにしておくのはどうだろうか?。
これならオンの飽和電圧が1Vでボディーダイオードの電圧降下が1Vで有っても、負荷両端の電圧差が2Vに成るまで還流が続く。定量的にはどのくらいエネルギが有効に使えるか解らんけど、効率とか発熱とかノイズなどの面で良い方向に行きそうな気がする。
デメリットとしては、GNDと言うか0Vに対する出来上がった交流の電位。これがどうなるか想像ができない。
実験回路を少し変更して、4個の素子をそれぞれ単独にオンオフ出来るように改造して試してみたい。
ラン 4km
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コメント
その昔現役時代に同じ事で悩んだりしてました。
海外の素子メーカーなどは5番目のような全OFFさせた時の還流は電源電圧でクランプされるので、還流時間が短くなりショートモードと呼び、アッパーかボトムの何方かをONさせて置くのを、ロングモードと呼んでいました。小生の記憶ではPWMの幅と出力が比例というか線形になる・ならないの違いがあったように思います。ま~参考にもなりませんが・・・
投稿: riki | 2019年7月 5日 (金) 22時27分
両方を使い分けたモード名まで有ると言うことは、取りあえず「行ける」と言う話ですね。力強い経験談をありがとうございました。
でも、下側(上側)ONが主流に成っていないと言う事は、デメリットが多いとかメリットが大した事無いとか・・・。
取りあえず独立プログラムを作って試して見ます。
投稿: みつやす | 2019年7月 5日 (金) 22時58分