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2019年4月 6日 (土)

いまさら?日航123便

04061 今さらかもしれんけど、図書館で日航123便関連の本が3冊並んでいたので借りて来て読んだ。青山透子の本が2冊に堀越豊裕の本が1冊。簡単に言えば青山透子の2冊は読む価値が有ると思うけど、堀越豊裕の本は読む価値が無いと思った。

 この「事故」が起こったとき私は松本の自衛隊駐屯地近くの寮に住んでいた。一般的にはI社、地元的にはS社の社員寮。近くと言うよりも細い道を挟んで直ぐ横が柵だから隣に住んでいたと言っても良い距離感だった。
 お盆の帰省時期で今晩中に出発しようかな?明日にしようかな?今年は止めようかな?と思っていた位のタイミング。自衛隊の敷地内が騒々しくなり車が出て行き始めた。テレビを見ると事故の速報としてぶどう峠などの言葉が流れて居た。
 学生時代はグライダーに乗っていたし、その頃は木曽川や福井空港に教官として飛んだりもしていた。だから一般的な航空ファンよりはこの事故に関する衝撃と記憶が強いと思う。

 この事故に関しては事故直後から妙な感じが続いたし、関係者の中からも「おかしい」とか「違う」と言う意見が出続けた。でも事故の内容や規模に対して意外なほど速く原因が特定され、大まかには素早い幕引きが行われた。
 私はボイスレコーダを全部公開していない事や多量の資料を廃却してしまった事を見るだけで、これは日本の政治家や役人が都合の悪い事を隠したり、嘘をつくときの常套手段だから必ず何か有ると思っている、詳細は解らんけど。そして青山透子の本はそう言う立場に立ち、一つずつ妙な事例を検証していった本。
 「墜落の新事実」には「○○さんは日航乗務員の誇りを持って、最後まで業務にあたったはずです・・・」的な文章が散見されて鼻につくけど、著者自身が客室乗務員で友人や同僚を亡くしており、その弔い合戦に近い物がモチベーションに成っていると思われるから仕方ない気がする。そう言う気持ちが無ければ取材を続けたり、身の危険を感じながらこの本を書くことは出来なかったと思う。
 「墜落の新事実」は上記の通りに証言を集めたり奇妙な事例を検証していく訳だけど、相手が日本国やアメリカ国だからそれだけでは真実は明らかに成らないと彼女は考えたのでは無かろうか、「遺物は真相を語る」の方では関係者の心に訴える様な文章が増えている。関係者が高齢になって死ぬ間際、「実は・・・」と言うのを期待しての事かも知れないと思った。
 事実、戦後の引き揚げ船での集団自決強要に関しては、高齢の男性が死ぬ前に懺悔したりしているから可能性はある。それとは別に、日本と違ってアメリカはきちんと資料を取っておくと思うから、もうしばらくしたらその資料が出てくる可能性も有ると思う。

 対して堀越豊裕の方は駄目だ。共同通信社のジャーナリストだったらしいけど、こんな人がジャーナリストなら、今のメディアが警察発表を聞いて載せるだけ、記者クラブで聞いたことを書くだけの方向に進むのも理解できる。
 青山透子に取材源を聞いたけど教えてくれなかったとか、ファントムを見たという自衛隊員に聞いても仕方ないとか、肝心の所は全部自分の想像だけで済まし、都合の悪い所?は全く取材らしいことをやってない。反青山透子派の人で有っても、別の本を読んだ方が良いと思う。
 世の中には自分と違う考え方を持っていても尊敬できる人が居る。自分と利害関係がぶつかる人でも納得できる言動や凄いなと感じる人が居る。でもこの人は自分と同じ事を言ってくれても、この人じゃ駄目だと感じるタイプだ。

スイム 0.8km
バイク 12km

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コメント

山崎豊子の沈まぬ太陽は読まれましたか?かなりの取材を重ねたうえで、氏の創作を交えた壮大な物語になっていますが、私はとても好きです。様々な角度から事故を捉えていますし。取材量としてはご紹介の3冊よりはるかに多く深いんじゃないかなあ。

投稿: シンシア | 2019年4月 7日 (日) 20時56分

 昔、読み始めて最初の最初で止めてしまった本です。事故の所には興味が有るのですが、あくまでも小説だと言う逃げみたいなモンを感じてしまったのと、時間的な物も有って事故まで行きませんでした。
 いつか読んでみたいと思っている本です。

投稿: みつやす | 2019年4月 7日 (日) 21時33分

記事を拝見しました。

共同通信は、事故の翌月にニュース速報や生存者情報に関して、現場責任者が懲戒処分になっています。そして、自らのニュース速報はなかったものとし、時事通信の19時13分が最初の配信というでたらめが公式記録になっています。

19時前に出した共同電は何かしらの理由でなかったことにされており、堀越氏も外に取材する前に、自らが隠蔽に加担している会社にいるということを本に書くべきだ。

投稿: 前野潔 | 2020年9月26日 (土) 02時13分

 堀越氏に関しては、あの本を読んだだけで信頼に値しない事が判ったので今後は接することは無いと思います。

 事故に関しては記事にも書きましたが、アメリカに残っている資料が公開されるのが一つのタイミングではないかと思っています。

投稿: みつやす | 2020年9月26日 (土) 08時14分

日本よりは、アメリカ合衆国にある資料が出てくる可能性が高いですね。

著者はわざわざ青山透子に取材し、ケンカを挑んだと見るべきで、雇われた刺客ですね。

公式記録の改竄に関与したマスコミをこそ、取材対象にするべき。

投稿: 前野潔 | 2020年10月13日 (火) 00時18分

 今もユーチューブの海外動画を紹介していたような日本のマスコミに自浄能力は無いでしょう。
 私もアメリカに期待です。ヤツらは好き放題やるけど、日本みたいに記録を改ざんしたり捨てたりしないと思います。

投稿: みつやす | 2020年10月13日 (火) 08時07分

ご無沙汰しております。
防衛産業の企業で働いていた為、無人標的機やミサイルの開発・検査・試験に関与しておりました。

無人標的機(ファイヤービーやチャカⅡ)を飛ばすためには訓練支援艦(当時はあずま)が必須で、事故当時、そのあずまは呉に係留されていたことを確認しております。

ミサイルの発射試験に参加したことがある者として言えるのは、航空機が飛んで来るような空域でミサイル発射はしないし、発射する前には十二分に安全確認を行うので誤射はあり得ません。

こういう本では、自衛隊員が証拠隠滅の為、123便を撃墜したとか火炎放射器で遺体を焼いたなどのトンデモ記事がありますが、彼らも日本国民な訳で、仮に総理大臣からの命令であっても、同じ日本国民を殺したり焼くような残酷なことをできると思いますか?
(被害者のなかには、その自衛隊員の身内や知り合いがいる可能性もある訳だし)

私の考える推定原因は以下の通り。
・圧力隔壁の修理ミスで客室の空気が漏れ、垂直尾翼に内圧が掛かっていた。
・繰り返し内圧が掛かることにより、垂直尾翼の外板パネルがめくれ剥がれた。
・そこに大量の外気が流れ込み、垂直尾翼が吹き飛んで、操縦用のオイル配管が破断し操縦不能となった。
(事故後暫くして、NHKで、垂直尾翼は外圧には強いが内圧には弱い構造をしていると、放送していた。)

圧力隔壁の破壊により、客室の空気が垂直尾翼を吹き飛ばした原因説は、あり得ないと考えています。
(パイロットが酸素マスクをしていない事、頭上のラゲッジスペースから荷物が飛び出していない事や生存者の証言から、急減圧がなかった事は明らか)

以上

投稿: 吾妻 | 2020年10月14日 (水) 15時40分

 私は個々の事例に賛同するも反対するも、有効な知見や取材力を有していませんが、政治家や役人の反応が典型的な隠し事が有るときの反応に見えたので、何かが隠れているんだろうな。と思って見ています。

投稿: みつやす | 2020年10月14日 (水) 16時33分

この事故では、生存者を救出するまでの過程や事故調査委員会の対応には疑問を感じています。

・墜落場所が二転三転し、中々特定できなかった。
・アメリカ空軍の救出協力申し出を断った。
・急減圧で尾翼破壊した説を否定されている中で、事故調の武田?委員長が手を震わせながら調査結果を報告した。
・数年?後、相模湾で残骸が発見されたのに、引き上げ調査をしようとはしなかった。
・調査資料を廃棄した。

事故後、政府?で開催された会議に出席していた平山勝栄氏が、「まさか生存者がいるとは思わなかった」とインタビューに答えていたので、国側(自衛隊、警察等)で救助の緊急性を感じていなかったかも。
(123便に、劣化ウランや放射性医薬品が搭載されていたので、救助の際の被爆による二次災害を考えて)

投稿: 吾妻 | 2020年10月14日 (水) 18時03分

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