60歳以上の宮田町出身者へ
「わたしたちの・・・」と一緒に借りてきた本で「筑豊ララバイ」。題名から筑豊で繰り広げられる違法改造バイクとそれを取り巻く若者達の物語?と思いがちだけどちょっと違う。
石炭産業が斜陽に成りつつある時期、筑豊の炭鉱町の炭住で繰り広げられる日常が淡々と綴られている本。
読み始めて直ぐに宮田だと解る。更に読むと駅裏の階段とか大之浦小学校とか出てきてノンフィクションみたいな気分に成ってくる。それもそのはずで作者の中島昌子は子供時代を宮田の炭住で過ごした人で、数ヶ月前の広報誌「宮若生活」でも紹介されている。ノンフィクションと言いながら「放浪記」に近い位置付けかもしれない。
私の通った小学校は、今は無いけど「笠松小学校」で只の田舎の小学校。そして隣の学区は「満之浦小学校」でこれは貝島炭鉱が作った小学校で私が中学の時に廃校に成った。この2校の小学生が進むのが「宮田西中学校」でこれも今は廃校。
笠松小学校にも炭住に済む子が通って居たし、中学に成ると別の炭住に済む子供たちも一緒に成る。炭住に遊びに行ってボタの斜面をソリで滑って遊んだり、先生と一緒に学校に来ないヤツを呼びに行ったら飲んだくれの親父が暴れていたり、学校にドスを持ってくるヤツが居たり(笑)、我が家の下に超してきた家族は炭鉱事故で父親を亡くした母子家庭だったり、、、いかにも炭鉱町的な思い出もポツポツ有る。
ただ、この様な思い出も私達の世代までだと思う。それに私はこの本に書いてある様な「炭住の中の人」では無かったから、共感の具合は少しだけ浅いような気もする。
とは言っても、かつての宮田町で暮らした中高年にお勧めしたい。何となく懐かしい様な辛くなるような、いかにも思い出みたいなモンを呼び起こしてくれる本だと思う。
バイク 12km
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