ヤングマンも何時かは死ぬ
婆さんのことばかり書くのも気が滅入るので最近はYBRの事ばかり書いてきた。それにも少し飽きて来たので(笑)今日は仕事の事でも書いて置こうと思う。
ポルシェ911のオルタネータ。レギュレータ一体型だから比較的新しいタイプと思われるけど、もしかしたら古い車体にオルタネータだけ最近のヤツを付けたのかも知れん。
入ってきた時に内部から絶縁体の欠片が出てきてヤナ予感がしたけど、予想通りにフルコースの作業と成ってしまった。
スリップリングは残りが有ったので旋盤で研削して真円にした。そしたらスリップリングAssyとか巻線からの配線を固定している樹脂がボロボロ落ちてきた。仕方ないから強制的に剥いでいつものクイックメンダーで同じような形に補修。なんか色が悪いな。。。
よほどの事が無い限りベアリングは全部交換するのだけど、コイツのネックベアリングはプレートで押さえずにポンチで固定して有った。作業が割りと綺麗なのでメーカレベルかも知れんけど、完全に等間隔でも無いから手作業でやっているのは確か。
リュータに尖った超硬ビットを付けてカシメ部分を掘り、さらにハウジングを軽く焼いてやっと旧ベアリングが抜けた。後はナイフとかヤスリとか色々道具を駆使して真円?に修正して完了。
と言いたかったけど、私がポンチで再カシメをしたら次の作業者に笑われる。今の時点で生産数の7割が残っていると言われるポルシェだから、特に今後の空冷は事故でも無い限り減ることは無かろう。と言うことは5年先か50年先か知らんけど、私が白骨に成った頃に今頃ヤングマンだったヤツが中を開ける訳だ。そして「何処の爺さんだよ、こんな整備をしたのは。カシメの連続でガタガタに成って救いようが無いよ。。。」と愚痴を言う。
それはやっぱり耐えられんと言うか、整備士の良心が痛むので押さえの板を作って止めた。精密鈑金の外注に出して再メッキとかしたら1ヶ月仕事に成るので、手で切ってローバル塗って誤魔化したけど。
そして最後はレギュレータが死んでいた。このタイプは過去にやったことが有るのでデータが残っていて配線は一発で解る。記録は大事だ。
レギュレータの内部を入れ替えたら全ての完成。でもロータの抵抗値が下限ギリギリくらいに低いのが気になる。ギリギリだから良いだろうとも思うけど、巻線内部でショートが発生し始めているのかもしれない。いや、高出力タイプならこの位の抵抗と電流は有ってもおかしくない。。。色々考えて悩んだけど、現時点で発電はするし抵抗値も安定しているので納品することにした。
全てのオルタネータの基準値を持っている訳じゃ無いし、時代も出力値も様々なヤツが入ってくる。誰かが過去に巻き替えたりして修理しているかもしれない。今回みたいな判断は難しいなあ。
バイク 12km
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コメント
本日13時の久住滑空場は、
曇り・雲量10・視程10km・300度4〜5m・雲高300〜400m。まだ山は涼しく缶コーヒーもホットにしました。
投稿: sun.one | 2018年5月17日 (木) 23時57分
私も昨日は行こうかなと思っていたけど、仕事が有ったのと家を空けられなくて誰かが行っているだろうな・・・と思ってました。
時間が取れる日にYBR125改FIの試験を兼ねて行ってみる予定です。流石に今年は自転車は無理(笑)。
投稿: みつやす | 2018年5月18日 (金) 08時40分