モデル化しよう
ミーブトラックを使っていく上で、今までのガソリン車よりも定量的に考えを巡らす事が多くなった。これは他の電動自動車ユーザーのブログなどを見ても感じることで、ほぼシステムとして完成されたガソリン車に対して、発展途上の電気自動車を使う上で必要な事かもしれない。
前回は車載のメータの目盛りを検証してみたけど、今回は走行抵抗とかそのあたりの力学的検討をする時の基本的なデータを考えてみようと思う。
まずは質量で車検証では920kgあたりだったと思う。これに運転者とかその他諸々の小物が加わると考えると、全質量はキリの良い所で1000kgと考えたら良かろう。
次に電池容量はスペックから10.5kWhと解って居る。実測もこれより少し上を維持しているらしいから計算には10.5kWhを使えば問題無かろう。
しかしよく考えたら「kWh」って変な単位だ。次元的に考えると仕事率に時間をかけているわけ。仕事率は単位時間当たりの仕事だから、仕事÷時間X時間=仕事と成る。はあ??だ。家までの距離を聞かれた子供が「8km」と答えずに「時速4kmで2時間歩く距離」と答える様なモンだ。
まあ力学的な考察から来た単位じゃ無くて、電気料金あたりから来た単位と思われるから仕方ないと言えば仕方ないけど、SI原理主義者には怒られそうだし、実際に力学的な考察をする際にも無駄に面倒に成るだけ。と言うことでここは「J」に戻しておこう。
10.5kWhは10.5kWが1時間(=3600s)継続する仕事量だから、10.5x3600=37800kJ=37.8MJと成る。前回の検証から見えているエネルギは9.6kWhだったから、同様に計算すれば9.6x3600=34560kJ=34.56MJが見えているエネルギだ。
ここで、エコランすれば見えているエネルギで95kmくらいは走った実績が有る。これは多少の起伏が有る道も含まれて居るので、理想状態なら100kmとしても良さそうだ。さらに真っ平らの道なら120kmくらい走るかも知れない。取りあえず普通の道の理想状態として100kmを採用しよう。
すると上記より34.56MJのエネルギで100kmを移動できた事になる。これよりミーブトラックの走行抵抗は34.56x1000000/100000=356Nと出た。意外と低抵抗だ。
「N」とか解らんと言う人のために解説すれば、「N」は「ニュートン」と読んで偉大な物理学者ニュートンにちなんで付けられた単位名。有名な故事に有るようにリンゴ1個が手のひらに及ぼす力が1Nと決まっている。だから356Nはリンゴ356個分くらいの力で押せばミーブトラックは普通に交通の流れに乗って走ることが出来ると言う訳。
ちなみに今のリンゴは1個が200gとか300gくらい有るけど、当時のリンゴは小さくて1個が100gちょっとしか無かったらしい。。。この説明を信じて人に話すとバカにされるので話さないように(笑)。
最後は走行中の平均動力。上記の100km走るときの平均速度を計算しやすい様に36km/hとしよう。これは10m/sの事で計算しやすいし、平均速度としても悪くない値と思う。
356Nの力で押しながら10m/sで動けると言うことは、ミーブトラックの駆動輪は356x10=3560Wの仕事率で働き続けている事に成る。これもホットプレート3枚分くらいで動くと考えると凄いことだ。
ここまででだいぶ定量的に見ることが出来るように成ったけど、全ての部分で効率は無視している。と言うか100%と考えている。実際は違うだろう。インバータとモータの総合で90%くらい行くのかな?。
もし電池から駆動輪までの効率が90%としたら、上記の356Nはもっと小さくて356x0.9=320Nくらいと成る。駆動輪の仕事も3560x0.9=3200Wで済む。さらに低抵抗となってしまった。凄いな。
1000kgに対して320Nと言うことは、摩擦係数というか滑空比というか、要は重力方向の力と抵抗方向の力の比を計算してみると1000x9.81/320=30.7と成った。これってKa-6Eクラスは有るって事だな(笑)。
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コメント
めんどくせぇ~~ 記事!!笑
不覚にも最後まで読んでしまった。汗
その リンゴが落ちて何かを考えた
アイザック君の事とか でうでも良いけど
どんぶり勘定的に考えても 結構経済的に安く 走るよ!
って 事なんやろ!!ガハハ
変態の玩具 弄って 遊ぶの もうしばらく
続きそうやね。。大汗
投稿: MASA | 2017年10月31日 (火) 19時26分
残念なのは空気抵抗がでかいこと。もうちょっとスマートな形状だったら燃費も伸びると思うけど、まあ軽トラ買ってそれは無いよね。
投稿: みつやす | 2017年10月31日 (火) 20時58分