DSO150の電池駆動化
DSO150が使えそうな雰囲気なので、少し真面目に電池駆動に関して考えてみた。幸いにもJYE Techのサイトで回路図が公開されているので楽が出来る。
何かのポイントで貰った5V出力のモバイルバッテリーが有ったので、最初はこれにDC-DCを組み合わせて9Vを出そうかとか、モバイルバッテリーのDC-DCを弄って9V出力にしてしまおうとか考えた。でも回路図を見ていって考えが変わってきた。
電源には3系統が有る。液晶のバックライトとか基準用ツェナーを駆動する9V(生のまま)系、ICL7660に依ってOPアンプ用正負電圧を作る系、LM1117に依ってマイコンとか液晶コントローラを駆動する3.3V系。
ここで気になったのはLM1117で、コイツは低ドロップ型のリニアレギュレータ。最初の5Vバッテリーを9Vに昇圧して・・・を自動車的に言い変えれば「5000rpmのエンジンに増速機を付けて9000rpmまで回転を上げ、その軸にブレーキを付けて3300rpmまで回転を落として使う」事と等価。こういう構成に成らざるを得ない場合だって有るけど、あまり美しくは無いから避けられるなら避けたい。
006Pを使おうとか、単三を6本で行こうとかも考えた。ただ006Pは高くて入手性が悪いのに寿命が短く、単三6本は悪くないけど少し重い。それに上記のLM1117問題が加わって、何とか低電圧化出来ないかな?と言うのが話しの始まり。
ちゃしろの散歩の後で回路図を見ていくと何となくいけそうな気がしたので、晩飯の後で老眼に鞭打ってチップ部品の交換とか色々やって見た。現時点でやった内容を列記して置くので、興味がある人は検証するなりもっと良い案が有れば教えてください。
まずは逆接防止用の1N4007を手持ちのショットキーに変えた。これでVfが0.587Vから0.167Vまで改善。短絡すれば0Vだけど、自分が信じられないので(笑)一応残した。
次に液晶のバックライト用電流制限抵抗。何処かに落ちていた資料では60mA時にVfが3.2Vと成っていたので、これを基準に電圧を9Vから6V弱に落として再計算。56Ωくらいと出たけど手持ちが無かったので100Ωと150Ωを二段に重ねて実装した。でも何となく暗い気がしたので最終的には100Ωを二段の50Ωで行っている。
次はオフセット調整用?の基準電圧を作るツェナー用電流制限抵抗。これは1kΩを470Ωに変更した。
最後は正負電源の所に有る良く解らん120Ωが2個。電圧の調整用なのかフィルター的な意味合いが有るのか、私はアナログ技術者じゃ無いから良く解らんけど、単三4本ではOPアンプの電圧が不足気味に成ったので見直し。
何だかんだで結局短絡させて0Ωにした。ここは1/6Wか1/8Wか知らんけどチップじゃ無くてリード付きの小さな抵抗。付け直すのが面倒だったので上からリード線を半田付して0Ωにした。
ここまでの改造で単三電池4本駆動が実現できた。取りあえず消費電流のデータだけど、6.0Vが135mA、5.5Vが123mA、5.0Vが116mA、4.5Vが109mA。となった。電力は9x120=1080mWから6x135=810mWへ低減。液晶の明るさ同一なら6x120=720mWまで下がる計算。
4.4Vまではギリギリ絵が出るけど、4.3Vに成ると絵が消えて枠とか文字しか出ない。デジタル回路は動いているけどアナログ回路が動かなくなった状況かな?。
まあこれ以上追い込む必要は今のところないけど、リチウム電池1本でダイレクト駆動とかしたく成ったら更に考えよう。
あとは電池ケースは秋月の何かのオマケに付いていたUSBタイプの単三が4本入るヤツ。これは中に回路とか入って居らず、ダイオードが1個入っているだけというふざけた構成。だから電池ケースとしてしか使い道が無い。
オリジナルの電源コネクタは信頼性が低い感じがするのと、物理的に下に出っ張りが来るのが嫌だったので別のコネクタ軽油で給電。
電池ボックスは背面に両面テープで貼り付けた。サイズ的に貼り付けたままでもネジにアクセス可能で、再分解が出来るのは予想外の美点だった。これが単三を6本だと出っ張ったりネジ穴を隠したりして少しだけ困った事に成ったかも。
取りあえず形になったので後は使うだけ。使いながら性能的な検証をしていこうと思うけど、あまり厳密なツールじゃ無いから何もしないかも。
回路図を見ていて気になったのは入力の耐圧。どう見ても取説の「50Vpk」表記が納得できないのだけど、どういう理由でこの耐圧が実現出来て居るんだろう?。
ラン 5km
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コメント
その肝心な電源電圧がズレると測定値もズレる様な内容を見つけました。そこで、その「おへそ」のアジアストで合わせ込む様です。
しかし、面白そうです。どう考えてもスグ壊れるでしょうから3台は欲しいところです。
投稿: そクラテす | 2017年5月31日 (水) 13時26分
測定値というか画面上の描画が上下にずれて来ます。オリジナルの設計では安定した電圧を供給するように成っているので問題と成らないのでしょう。
電圧(縦軸)ボタンの長押しでキャリブレーション出来るので大きな問題では無いのですが、簡単な改造で解決出来るならやっておきたい感じです。
投稿: みつやす | 2017年5月31日 (水) 14時46分
私のドローンちゃんのGPSコンパスセンサーの電源チップを不注意でとばしたんだけど治してくれたら新品中国製差動デジタル圧力計を差し上げます。バキュームの調整で活躍するかもね。
投稿: abeyacht | 2017年5月31日 (水) 17時59分
えーっ、ドローンの部品なんて実体顕微鏡が要るようなやつでしょう?。
たぶん無理と思うけど、それでも良ければ送ってください。半田まみれにして帰します(笑)。
投稿: みつやす | 2017年5月31日 (水) 19時30分