イグナイタは正常みたい
一昨日書いた頭の良すぎるイグナイタの続き。ポルシェでの使用数が少なかったからか、ポルシェの話しはなかなか見つからなかった。代わりに出てくるのはベンツの話しと資料。
同じ時代のベンツにはかなりの量が使われた様で、各種の資料とか、壊れた話とか、互換性の話しとか出てきた。ということでベンツの資料を元にカンジニアリングで964ターボのイグナイタを調べる事に。
まずはピックアップ信号の偽物を作る所から。ベンツの資料で1枚目のような波形が何回も出てくる。そこでこれを真似して波形を作った。中国製の安物だけど任意波形発生器はとても有用で素晴らしい。
他のセンサもだいたいあたりを付けて適当なVRを繋いだりした。MAPセンサの口には厚手のホースを繋ぎ、その先には生体式正負圧発生器を接続。ちょっと能力的に不足だし定量的なところは解らないけど、定性的な傾向は解るから良かろう。
ゴチャゴチャやっていると点火波形が出てきた。この段階では壊しては行かんし高圧が怖いので点火コイルの代わりに50Ωくらいの抵抗を繋いで試験。
オシロ波形の上の段がピックアップ信号で、下の段がパワートランジスタのコレクタ電圧(と思われるもの)。ということでコレクタ電圧の立ち上がりに相当する、3枚目と4枚目の赤矢印が点火の瞬間と成る。
4サイクル6気筒だからクランク軸が2回転に6回点火する。ということは点火と点火の間隔はクランク軸で720/6=120度という事に成る。これを頭に置いて入力周波数やらMAPやらを弄っていくと、3枚目と4枚目を例に取ると27度くらいは進角している事が解る。
回転数でもそれっぽく進角している。シリンダ温度でもそれっぽく変化する。吸気温度でも少し変化する。セレクタスイッチでは2段階に変化する。MAPでもチャンと変化する。
ということで、中には回転数とMAPによる二次元マップがあり、各種センサで少し補正されながら全ての機能がそれっぽく動いている事が確認できた。
興味深いのはMAPが1barを超えた領域。ゲージ圧で言えば正圧が加わっていって、エンジンの状態で言えばターボが効いている時。このときは明らかに遅角している。必死で口で吹いている(笑)から安定はしないけど、5度くらいは遅角している感じ。
コネクタのピンアサインが一緒だからと、ベンツの自然吸気用を付けてブイブイ言わせていると、過給圧が高い領域でピストンに穴が空いたりするかもね。
最後に実際の点火コイルを付けてバチバチ試験。5枚目の下の段を見れば解るけど、いかにも教科書的な点火コイルの1次側波形が出てきて一安心。
バイク 12km
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コメント
>信号の偽物を作る
今回は、その様なモノがフロクの様です。小学館の「小学1年生」。マニアは数冊入手してる様です。
投稿: そクラテす | 2017年4月14日 (金) 09時55分
検索したけど良く解らんけど「こえピアノ」ですか?。音楽的なセンスはゼロだけど、ピックアップ信号を入力したら回転数(音程)を変化させた信号が出てくるのかなあ?。興味有るけど買ってみるには少し高いかな・・・と悩み中。
投稿: みつやす | 2017年4月14日 (金) 12時29分