いい日旅立ち
嫁さんのお父さんの具合が良くない。3年くらい前に成ると思うけどイギリス旅行中に倒れてなんとか一命を取り留め、帰国してからはリハビリの毎日だった人。それが先月だったか老人に良くある嚥下性(誤嚥性)肺炎を起こしてしまい、調子が良くないと言うよりも「喪服をクリーニングに出しっぱなしに成ってないか見ておけ」的な状態になっていた。
嫁さんも帰省して様子を見たりしていたのだけど、ギリギリ意識が有る最後かも?と言う状況を感じたので、今日は急遽私も一緒に病院までお見舞いに行くことにした。
前回のお見舞いは組み上がったばかりの白骨号で行った。でも今回は仕事が忙しく日帰りの予定だったので往復とも列車を使うことにした。大阪と言っても大阪府の外れなので以外と遠い。朝の05:30に家を出たけど向こうに着いたのは10:30頃に成っていた。それから病院に行って面会した。
以前から喋りは不自由だったのに加え、栄養補給の管が入っていたり、喉の機能が低下して居たりして、何を言っているのか聞き取れない。でも嫁さんとか私を認識してくれて居る感じが有ったし、喋りかけるとそれっぽいタイミングで手や顔を動かして反応してくれた気がした。本当の所は解らないけれど家族的な目で見ると解って理解している様に思えた。今日行って良かったなと言う所。こちらの自己満足かもしれんけど。
意識が有る状態で会うのは最後かも知れないと思うと、ああ私はこの人に対して何も喜ばす様な事をしてあげられなかったなあ・・・と今さらにして思ってしまう。
最初の出会いからしてガックリ来たと思う。嫁さんの家に挨拶に行く直前まで、どんな家でどんな仕事をしている両親なのか詳しく知らなかった。改めて話を聞いてみると超有名な会社の偉い人だという事が解った。それに対して娘が連れて来た男は、娘よりも背が5cm以上低いうだつの上がらない派遣社員(笑)。普通の親なら相当悩むシチュエーションだろう。
でも何故か結婚することに成った訳で、この辺りは運命というのかDNAの引力なのか解らんけど神様がお決めに成った事だ。後日お母さんの方から「医者か弁護士と結婚させようと思っていたのに」と冗談めかして言われた事が有るけど、あれは半分以上本心だろう。でも神様には誰も逆らえない、御免なさい。
結婚してからもハラハラしたと思う。娘婿が何時潰れるか解らん会社を始めたりして、父親として娘や孫達の事を思うと胃が痛かったんじゃ無かろうか。幸いにも悪運が強くて私の会社は今までギリギリ持っているけど、もしかしたら途中で潰れて「お父さん助けてください」と頭を下げに行った方が別の幸せを感じて貰えたのかもしれない。取りあえず可愛げの無い婿だった事は確かだ。
実家に行くたびに一緒に酒を飲もうと勧められたけど、その度に飲みませんからと断っていた。一回くらいはベロベロに酔いつぶれてしまい、「ミツヤス君はだらしないなあ」とか言われる事が有っても良かった気もする。。。
なんか色々な事を考えてしまう。自分の親は自分の親だからここまで考えた事が無いし、今後も考えないと思う。元が赤の他人だからこそ考えてしまうんだろう。
面会の途中も帰りの電車の中でも色々な事を考えた。それとは別に葬式に成ったらどうやって行こうか、意外と遠くてキツイなとか、ちゃしろの世話はどうしようとか、現実的な事も考える。まあ人生ってこんな事の連続で出来上がっている事だけは確かだ。
行きも帰りも「のぞみ」の中でいい日旅立ちのメロディーが流れる。新幹線の中で何十年も聞かされてきた曲だ。電光掲示板では阿蘇山の噴火に続いてハードロックナットの広告が流れた、訳が解らん。出張中の技術者へのアピールなのか!?。なかなかシュールだ。
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コメント
我が家も そろそろ そういう時期かな。。
投稿: MASA | 2016年10月 9日 (日) 20時52分
うちは両方の両親で4名居るからねえ。。。これからの5年から10年は葬式の時代に成りそうです。
予想を覆して100歳超えても生きていたりしてね(笑)。
投稿: みつやす | 2016年10月 9日 (日) 21時44分