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2015年9月29日 (火)

直流機≠直流発電機

09291 ちょっと不思議な現象で悩み中。所謂空冷VWの90mmタイプダイナモで実際に装着されていたのはポルシェ356のヤツなのだけど、整備後にエンジンをかけても発電しない。
 車上での最も簡単な試験として、ファンベルトを外してバッテリーを直結したらきちんとモータリングで回る。でもその状態でベルトを装着してダイナモを回しても発電はしない。3000rpmくらい回しても1Vも出てこない。。。
 ちゅうことで持ち帰って再試験した訳だけど、こちらでもモータリングは正常に回るけど軸を回しても発電しない状況に遭遇して頭の中は????状態という訳。

 理屈ではブラシ式の直流機と直流発電機は同じ物。小さな相違は有っても「モータだけど全く発電しません」と言い切れるほどの違いは出てこない・・・筈。メチャ悩みながら念のために各部を再チェックしていった。
 何も問題ないけど敢えて言えばコンミュテータの表面の色が変。焼損とは違うけど黒っぽい煤のような物で覆われている。綺麗に馴染みが出た状態とも違う。まあ言われてよく観察したら程度の違いだけど。
 ここくらいしか原因が無いので取りあえず紙ヤスリで綺麗に磨き直して再組み立て。モータリング試験の状況は回転具合も電流も変わらない。でも軸を回すと発電を始めたでは無いか!?。
 表面のコーティング?が原因の様に思われるけど理屈が解らん。薄膜ダイオードが出来たのか、もしそうなら凄い発見だけど既に磨いて落としてしまった。それにたぶん違うと思う。実験を繰り返しながら何度も考えた。
 一つ思いついたのは薄膜の抵抗が原因で有る説。そしてその抵抗に若干の電圧依存性が有るかも?と言う物。モータリングの時は一気に12Vが印加される。それに対してこの種の発電機の発電は残留磁気に依る極低電圧の呼び水的な発電から始まる。ここが違うじゃ無いか。
 発電の最初は残留磁気で呼び水的な発電がなされ、その電力が自分のフィールドコイルを励磁してさらに強い電力を発電し・・・と「好循環」のループで発電が起動していき定常状態まで立ち上がる。だからスタート時の呼び水に抵抗が有ると次の段階のフィールド電流が流れず十分な界磁が得られない。電気で言う発振回路でうまいこと正のフィードバックがかかって居ない状態。
 もしこの仮説が正しいとした場合、その薄膜はどうやって形成されたのだろうか?。普通に形成されたのなら今までにも起こっているはずだし、市場でも多発してトラブル例として語り継がれて居るのでは無かろうか?。だから普通の状態とか組合せでは起こりにくいと考えられる。
 じゃあ今回は何が普通じゃ無かったのか?。O/H後の確認試験の後で油か何かが付着した。付近の半田が溶けるくらい加熱したダイナモだったので、コンミュテータの樹脂部分が変質をしていて何かが染み出した。スプレーなのか水分なのか何かの影響で電気分解とかメッキ的な事が起こった。ブラシ圧力の具合で通常とは違う馴染み膜が出来る場合が有る。極希だけど今までにもそう言う事例がある。。。
 ウーン、解らん。でも今は具合が悪くない。もう一度装着して状況を観察するしか無いなあ。

 夕方に珍しく武友さんが栗拾いに来た。ここは奥さんが栗好きだったはず。栗拾い作業に来たのは仕事帰りの旦那さんが一人だったけど(笑)。今年の栗はこれで終わった感じ。一部の木が枯れかけて居ることと、この地域の栗が今年は悪かった事のダブルパンチで量が少なかった。自然の物なので仕方ない。
 昨日のMTB実走のせいで尻の筋肉が痛い。情け無いけどこれが今の実力と考えて休養日にしよう。

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コメント

残留磁気と回転数それにフィールドコイルに流れる電流が、発電に至る閾値越えれなかったが?
ブラシの接触が良くなったので閾値を越えたとの判断で良いのでは!
小さな船舶の発電機は、三相の電動機を小改造して発電機としてる例が有りますが初起動でぶんぶん回しても辛うじて電圧が出ても電力が得れない事例を見ました。その時、舶用電器屋さんはバッテリーからDC24Vを引いて来てバチンとコイルに電流を流して再度ブンブン回したら電力を得れる様になりました。その時に思ったのは残留磁気と一気にぶん回すのがツボ思い込んでますが?
沸々は更に湧いたか覚めたかいかがなり~

投稿: 山 | 2015年9月30日 (水) 17時13分

直流機=直流発電機はマグネットの時じゃないですか?
一度フィールドに流れ始めれば発電すると思いますが・・・
↑の船舶用は自分も一度見ました。滑りを1以上にすれば良かったような記憶があります。

投稿: riki | 2015年9月30日 (水) 19時15分

>山 さん

 たぶんそんな感じだと思います。正帰還回路に抵抗を入れすぎた感じでは無いかと。
 渇入れのバッテリー直結や、ブラシ表面の清掃とチェックも兼ねてモータリング試験までは現地でもやったのですが、今回はそれでは除去できない強固なヤツだったみたいです。

>riki さん

 フィールドに電流が流れてくれれば磁力が発生して永久磁石式と同等になると思うのですが、そこまで電流が流れなかったのかな?と。
 ときどき残留磁気が弱くなったり逆転している事が有りますが、今回はそれでは無かったみたいです。

 解明じゃ無くて治すまでの仕事なので、治ったから納めて試運転してきましたがスッキリとはしません。。。

投稿: みつやす | 2015年9月30日 (水) 23時31分

うむぅ、わしは、まったくわからん。
                刑事 オジン

投稿: ラモ | 2015年10月 1日 (木) 07時54分

 単にマブチモータを指で回したら発電するはず、って話ですよ。

投稿: みつやす | 2015年10月 1日 (木) 08時08分

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