CDI用コイルとポイント用コイル
8ピンのCDIと一緒にBOSCHのCDI用コイルも2個入ってきていたので、CDIコイルに関して少しだけ書いてみようと思う。
良く解らないかもしれないけど、同じ時代の同じBOSCHが作った同じポルシェ用の、ポイント用やフルトラ用のコイルに比べたらCDI用は明らかに小さい。
実際に測定してみても直流抵抗もコイルとしてのインダクタンスもCDI用の方が相当小さい。この理由はポイント式とCDI式のエネルギ保管場所の違いによる本質的な問題から来ている。
CDIの場合は放電用コンデンサにCV^2の形で貯えられたエネルギを点火に用いる。対してポイント式やフルトラ式の場合はイグニッションコイルの1次側にLI^2の形で貯えられたエネルギを使う。だから或る程度のLを確保する必要が有り、結果的にメチャ小さなイグニッションコイルは作れない。
CDIの場合はコンデンサにエネルギが溜まっていて、イグニッションコイルは単なる変圧器。希望の変圧比を有して壊れさえしなければ良いわけで、インダクタンスとかはあまり考える必要がないから小さくできる。バイク用でもCDI用はかなり小さい。
実測した上記の直流抵抗は0.478Ω:685Ωであり、ポイント式に良くある3Ω:14kΩなどに比べると相当小さい事が解る。
で、この抵抗の小ささが「CDIはかぶりに強い」と言われる事に繋がるのだけど、専門書にはきちんと書いてあってもネット上でそのことに触れているページは少ないように思う。
2枚目の画像はイグニッションコイルの2次側とプラグを凄く単純化した物。電圧は2万Vで正常なプラグの絶縁抵抗は7MΩでかぶったプラグの絶縁抵抗は14kΩと仮定している。
あまりに長くなるので結果だけ書くと、かぶったプラグに対してCDIなら1万9千Vを印加出来るけど、ポイント式やフルトラだと1万Vしか印加できない。1万9千Vだと始動できるけど1万Vだと失火して始動できない場合が出てくるというわけ。
で、ユーザーとして使うだけならこんな事はどうでも良いのだけど、CDIを自作するような場合は注意が必要と成る。せっかく高性能なCDIを自作してもコイルに高抵抗なポイント用を採用してしまうと「かぶりに弱いCDI」と成ってしまうわけ。
夕方になって天気が凄く良くなったので気分よくウォーキング出来た。ちょっと距離を伸ばして西中往復の8kmを気分よく歩いた。
ラン (8km)
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コメント
出力インピーダンスが低いって訳ですね!
分かりやすい図解、説明ですね。
投稿: riki | 2015年6月26日 (金) 22時22分
そうです。せっかくCDIにしたのなら低インピーダンスのコイルを使おうよ、って事です。
投稿: みつやす | 2015年6月26日 (金) 23時18分
いつの日か?ビートルを自作CDIで動かしてみたいと思っているのですが、バイクのDC−CDI用IGコイルでも大丈夫ですかねぇ?
インピーダンスとかインダクタンスとか?おそろしく難しそうな計算できません。。。
投稿: あつし | 2015年6月27日 (土) 00時06分
バイク用でも車用でも、ACタイプでもDCタイプでもCDI用なら使えると思います。計算などしなくてもカンジニアリングで大丈夫です(笑)。
ただ想定している1次側電圧がどのくらいなのか、は把握したり測定しておくべきでしょう。200Vとか400Vとかかなり違いが有ります。200V出力のCDIに400V入力を想定しているコイルを付けると、2次側電圧は半分しか出ない事に成りますので。
投稿: みつやす | 2015年6月27日 (土) 07時38分
その1:プラグのかぶりで、何度も始動不能に陥った、CD125Tは、CDI点火でしたが、CDIの良さは感じられなかったなぁ。ガソリンでべたべたに濡れていたせいでしょうか?
その2:配線図は、何というソフトでしょうか?例:JW-CADのデータをJPEGに変換すると、不鮮明な図になってしまうので、適当なソフトを探しております(o^-^o)
投稿: ラモ | 2015年6月27日 (土) 10時36分
そりゃ日頃の行いが悪かったんでしょうね(笑)。もっと善行を積みましょう。
配線図はbschというソフトです。でもCADなら出力の段階ではクッキリでしょうから後の問題では無いでしょうか。
jpg圧縮は原理的にオネエサンの裸には適していても、配線図には最適では無いです。縮小とか圧縮の妥協点の設定で改善を図りながらも、許容できなければ別のフォーマットに行くしか無いような気もしますが。
投稿: みつやす | 2015年6月27日 (土) 11時15分