電気式自動巻時計
発注していた部品がポツポツと出来てきたので、昼間は外注先を回ったり物を確認して発送の準備をしたりの1日だった。その不在の間に小さな部品が届いていた。
電話でしか話を聞いて無いから不確かだけど、古いポルシェの電気式時計らしい。修理をしても直ぐに壊れて今回は中が燃えた!?とか。その前提で「こんなの出来る?、最悪中身を今のに入れ替えても良いから」との話なので、こう言うのは気楽に取り組めて嬉しい。
取りあえず晩飯の後でカバーを開けてみた。燃えた熱でプラスチックのカバーが溶けてしまい、中の部品にまとわりついて抜けない。無理したら中が壊れる。仕方ないのでカバーを割って開封した。
中はこんな感じ。予想を覆してほぼ全てが機械式の時計だった。電気部分は・・・?と探してみると燃えたソレノイドと点火用のポイントみたいな接点が有るだけ。
機械部分は大きく壊れて居ない感じなので、追加で壊さないように注意しながら構造を考えた。こう言うのは昔から好きだ。人のタイプに依るのだろう。切手を集めたり、虫を観察したり、麻雀をしたり、ゲームの中のお姫様を助けたり・・・、そう言うのには全然興味が無いのだけど、動かない機械、特に機電一体品には興味が湧く、生きて動いているオネエサンの次くらいに。
で、夜遅くまで観察して解った結果は、物がないのに文章だけで解る人は少ないと思うけど、自分の備忘録と脳みその中の整理整頓の意味で書いておこうと思う。
時計部分はゼンマイ式の機械式時計その物。ただし動力がゼンマイでは無くて引っ張りコイルバネに変更されている。このバネが動力部の1段目のギヤに、適度なアーム長で装着されている。
これによってバネの縮もうとする力がギヤの回転トルクに変換されて時計が動作する。しかしゼンマイと違って動作角が狭くせいぜい45度くらいでバネの張力が失われる。
その為にバネを再度引き延ばす仕事が必要に成り、その仕事を今回燃えてしまったソレノイドが行う訳。バネが縮んだらソレノイドに電気が流れてバネを引き延ばし、決まった位置まで引き延ばしたら電気が切れる仕組み。その電気のオンオフを行うのがポイントみたいな接点。
基本動作は上記だけど、それをシーケンシャルに順序立てて動作させる為と、バネの巻き上げの瞬間にも時計への動力を途絶えさせない為に、第二のバネと2個のラチェット機構が追加されている。
ハハハ、解らんだろう。私も数時間ひねくり回してやっと解ったんだから、簡単に解ったと言われたら悲しい(笑)。
最初は目覚まし時計に入れ替えようと思ったけど、この中身を見たら修理したくなってきた。この懲りすぎのような機構を考えたドイツ人に敬意を表して。
夜遅くまでVDOの時計と格闘していたけど、日課のエアロバイクだけは漕いでおいた。寒くて堪らなかったのもあるけどね。
バイク 12km
| 固定リンク
コメント
ワシじゃったら、GPSか電波で時間情報を取得する、アナログ時計と交換してチャンチャンと終わりにするけどね。
投稿: スパイクのいず | 2014年11月28日 (金) 12時10分
GPSなんか使ってたらアメリカの言いなりでしょう。気に入らんことが有っても戦争すら出来ん。
その点、物理法則だけに支配される機械式時計なら、ニュートンさんの機嫌だけ気にしたらOKで自由な人生が楽しめますぜ。
投稿: みつやす | 2014年11月28日 (金) 12時40分
スイスの時計職人に対向する、ドイツ人気質を感じますね。私は、車載時計と言えども、ゼンマイ式の時計があってもいいのでは、と思います。
がぁ、拙CBのハンドルには、某市民製の光発電の腕時計をつけてますです(o^-^o)
投稿: ラモ | 2014年11月28日 (金) 17時27分
そうですねえ、私も心を入れ替えて来年の耶馬溪ツーリングには、タコメータケーブル駆動の時計を準備しようと思います。
投稿: みつやす | 2014年11月28日 (金) 19時46分