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2011年10月19日 (水)

ラビットS302のレギュレータ

10191 ラビットS202のシートの上に乗っているけど、レギュレータ自体はS302用らしい。充電不良でうちに入ってきた。もう1個S301用も入ってきているけど、こちらは取りあえず動いているとか。
 充電不良の原因は色々あって、特に旧車だと複合的な原因が複雑に不安定に絡んで居ることが多い。だからレギュレータだけを修理しても治るとは言い切れないのだけど、取りあえずレギュレータ自体に悪いところが有れば治しておく必要はある。
 10192 写真のS302の方はフィールドコイル用の電流制限抵抗が断線していた。さらに接点の調整があり得ないくらい狂っていた。
 何となくストーリーが解るような気がする。このタイプの発電制御は3段階。フィールド電流が「フル」「抵抗入り」「停止」の3つ。
 断線していた抵抗は「抵抗入り」の時にフィールドコイルと直列に入る抵抗で、通常はこの状態で走行している事が多いはず。
 この抵抗が切れてしまうと界磁が電磁石じゃ無くなるので、結果的に発電しない。するとD+電圧が下がるのでフィールド制御が「フル」に成り、しかしこの回転数では「フル」の磁力は過剰なので直ぐに「抵抗入り」になり、すると抵抗が切れていてすぐに「フル」になり・・・と妙な繰り返しに成る。
 PWM的に平均すればイマイチな発電に成るので、自分で調整したりバイク屋に持っていく。そこで充電が悪いならこのねじを締めて・・・とか、このアームを曲げて・・・と言う感じの修理が行われる。
 こんな流れで結果的に、あり得ないくらいの調整位置に成ってしまうんじゃ無いかと思っている。こんな経緯であれば、レギュレータだけじゃなくてフィールドコイルやロータ側も通常では無い状態になっているかもしれない。
 そう考えるとレギュレータだけじゃ無くて車体側の補機類の確認とか、測定とか、場合によっては修理とか小改造とか、そう言ったことが出来る人じゃないとトータルで完成までは漕ぎ着けない可能性が高かったりする。
 ちゅうことで、色々と面倒なお願いをする可能性がありますので、弊社にレギュレータの修理を依頼される方は、最低でもテスターくらいは購入しておき、各部の電圧を測定出来るくらいの準備をお願いします。
 今回の抵抗はどういう風に修理しようか迷っている。この写真では陶器の筒の上にニクロム線を巻き、表面を耐熱性のパテでカバーしている状態。最終的にホーロー加工までやってしまうか・・・。
 国産のオリジナルはホーロー処理してある物が多い。これは絶縁とか表面の酸化防止を優先する思想のような気がする。対してボッシュなどのヤツはセラミックの心材にエナメル線を巻いたままだったり、雲母のプレートを組み合わせた枠に巻いたままが多い。こちらは放熱を優先する思想だろうか?

 何となく気分で水泳。年齢の事とか冷静に考えるとあしが君に負けっ放しに成ると思われるので、なんとか技術面で何かを掴んで前に出ようと。
 3年ほど教えて貰ってこの程度なのだから、自分で1日考えたところで直ぐに解るはずはない。でもバカは速くならんとか言われる位なので、苦しみながらも悩んで考えないと駄目なのだろう。

スイム 1.0km

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コメント

ホーロー抵抗 何Ωです?
何Wです?
大きさ的に 10w  30Ωくらい??
セラミックでも 良いのかなぁ~?

投稿: MASA | 2011年10月20日 (木) 01時52分

 今回のは9Ωで実消費が10W位です。唾付けたらジュッと言うくらいの温度で使われますので、電子部品に比べたら相当厳しい使用環境では有りますね。
 他でも同じような事例が多数有って抵抗値とかワット数が様々です。極めつけは形状が色々なので、ホーロー抵抗をゼロから作れるように成るといいなあ・・・と考え中なんです。
 箱崎に数少ないホーロー処理の工場が有ることが解りましたが、基本は看板屋さんなのでこういった小物をやってくれるかどうか解りません。
 最終的には自分で怪しい装置を作って処理するしか無いような気がしてますけど。

投稿: みつやす | 2011年10月20日 (木) 08時30分

ラビットのレギュレータはセルダイとセットと聞きますが(同形式のラビット用でも飯田マグネトーと国産電機の組み合わせは不可とか)その辺は関係あるんでしょうか?

充電関係だけはラビットハウスさんで半導体化に成功したらしいですけれど。

投稿: chanch | 2011年10月20日 (木) 22時16分

 上の写真の向かって左端がセルモータ用のスタータリレーです。中央がカットインのリレーで右端がフィールド電流制御用です。従って一般的なダイナモ用のレギュレータ(中央と右端の組み合わせ)にスタータリレーを合体させただけで、電気的には別の動作をします。
 普通のダイナモ単体であっても、フィールドの制御の方式が違っていたり、フィールド抵抗の違いによる設定電流の違いとか、最大電流の設定値の違いとか、色々と有りますので無改造で流用できる方が幸運な例だと思います。
 セルダイナモの場合は更にロータが共用で微妙に合体していますので、流用するには事前の検討作業がかなり面倒に成りますね。

 リレーのコイルまで傷んでいる場合は、よほどの事情が無い限り半導体式に入れ替えた方が実用的だと私も思います。

投稿: みつやす | 2011年10月20日 (木) 23時23分

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