山本さん、風が強すぎです。
江の川は山陰らしい川である。決して広い川では無いが、その与える印象が山陰的なのだ。
河口から直ぐに両側を山に囲まれる。その山は見上げるほどの高さは無いが幾重にも連なり、川に沿って単線の鉄道と地方道が伸びていく。私が勝手に構築してきた山陰の姿がそこに有る。。。
最初の頃はそんな調子で走っていたが、やがて道は細くなって中央線すら無くなった。かろうじて鋪装はされているようだが、車1台通るのがやっとの幅しかない。
これでは離合すら出来ないと不安になったが、よく考えれば対向車自体が存在するのであろうか?それでも最大限の注意をはらいながら4駆の軽トラを上流に向かって走らせた。
この辺りで引き返そうと5回くらい考えた頃、目の前にその集落は現れた。ここだ!ここが私の友人が暮らす集落だ。安堵感と言うよりも達成感とか征服感とでも表したい気持ちで一杯になった。
集落で1件と思われる商店が有った。軒に朱が塗ってある。つたない字で書かれた"ぽぷら"が屋号か。中に入り老婆に話しかける。友人の名を伝えると直ぐに解った様だ。この地方独特の方法なのか、拍子木のような機械を使って連絡をしてくれた。
久し振りに会った友人は活き活きしていた。成れぬ都会の大企業勤めの時は浮かれない様子だったが、田舎の水が合うのか本来の姿を取り戻したようで安心した。
娘と息子を紹介してくれた。親に似ず聡明そうな子だった。娘は同世代の友人達と鞠を投げる遊びをしていた。息子は自転車に乗っていた。スペシャに見えたけど、SpecialRideと書かれた中国製だったかもしれない。
自分用の荷物と、小倉の人に届ける荷物を積み込んだ。帰りも遠いので帰ろうとしたら友人の母親が昼食を御馳走してくれた。最初の量だけで十分だったし美味しかったのだが、追加でご飯を持ってきてくれた。
炭水化物を多量に摂取してしまうと、帰りの運転で確実に眠くなるので避けたかったのだが、好意を無にしては申し訳なかったので全部頂いた。
帰りの9号線も退屈だった。大学の時に京都からXSで帰ったことを思いだした。その時もこの道を通った筈だけど、全然記憶にない。一人で長距離を運転していると色々な事を考える。
右下に津和野の町並みが見えた。こんなとき若い頃の予定では、助手席には黒木瞳に似た彼女が座っていて、「この車暑いからイヤ」とか言いながらスカートをパタパタしている姿を横目で見ながら、アクセルを軽く踏んで6個のピストンに渇を入れる・・・筈だった。
でも現実は軽トラに廃棄品のタイヤバランサとCR80を積み込み、風と勾配に喘ぎながら、必死に踏み込んだアクセルで4個のピストンに祈りを伝えている訳だ。何処で何を間違ったのだろう?
帰りも小郡から高速に乗った。それほど運転が好きでも得意でも無いので、全部下道では体力が持ちそうに無かったから。
でもこの判断は良かったのか悪かったのか解らない。滅茶苦茶風が強い。行きも強くて空荷の軽トラはフラフラと不安定だったけど、帰りは質量こそ増えたものの別のコントロールしにくい不安定さと言うか収束のしにくさが出てしまった。
何度も怖いよ怖いよと思いながら、こんなときだけ神様にお祈りしながら左端の車線を80km/hで必死で走って帰ってきた。
帰ってからニュースを見たら風の事を伝えていた。私の運転が下手な訳じゃ無かったし、スバルサンバーが不安定な訳じゃ無かった。今日は本当に風が強かったらしい。
夜になって息子達と一緒に荷物を降ろした。CR80は手でもって降りたけど、バランサは流石に重い。仕方ないので裏の方からユンボを持ってきた。夜中にユンボで何を始めるのか??と、近所の婆さん達に思われたに違いない(笑)。
吊る場所が無くて悩んだけど、なんとか吊って降ろして軒下の濡れない場所に置いた。今は雨が降っているけど、明日は晴れるみたいなのでここでも良かろう。
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コメント
あ、タイヤバランサ設置されましたか!
それはそれは、たいへんご苦労様です。
強風の中、無事にお戻りになられて、なによりです。
え、いや、そのうちお世話になる事も・・・。
投稿: sun.one | 2010年3月20日 (土) 22時31分
いや、まだ軒下に置いただけなんで、波板の方のガレージにでも設置しようかと考えとります。
でもビリビリ来るとか言う話なので、使う前に電気関係を一通りチェックしないと。
投稿: みつやす | 2010年3月20日 (土) 22時56分
若い頃に思い描いていた六気筒はケンメリか箱スカですか?
まさかビーエムということはないですよねぇ(笑)。
投稿: Mark@小倉南区 | 2010年3月21日 (日) 11時32分
空冷のうるさいヤツです(^^)。
投稿: みつやす | 2010年3月21日 (日) 13時13分
国道375号線は昔,み[3]な[7]ご[5]ろしと呼ばれるくらいひどい国道でした。呉から三次までは改良されましたが,江の川沿いはまだまだですよね。母方の実家が県境付近なので時々行きます。
投稿: Nori-chan | 2010年3月21日 (日) 15時59分
川の両側に道が有って、解った人は橋毎に適切な方に移動して走るみたいでした。
私は何も解らずにそのまま真っ直ぐ走ったので、5回は大げさですが2回くらいは引き返そうかと思いました(笑)。
投稿: みつやす | 2010年3月21日 (日) 16時52分