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2008年6月23日 (月)

小さな選手のバイクポジション

06231_2 okayamaさんが栗栖手前の登りで写真を撮ってくれたので、早速その写真を見て色々と考えている。okayamaさんありがとうございます。

 一昨年の皆生で取りあえずDHバーを使ってみて、去年の皆生ではDHバーによる空気抵抗低減の効果を出そうと悩んでみた。その結果自分なりにいくつかの改善点を思いつき、この1年間はその改善を色々とやってきたつもり。
 その延長線上としてこの写真を見ると、それなりに自分の思う方向へ修正できているような気がする。平地の巡航速度が少しだけ向上しているのもその表れかと思う。しかし下の写真を見るとまだまだだと思ってしまうのも事実。

06232  こっちは今年の全日本で単独逃げを決めている最中の沖美穂。(NOKOのブログだったか?参照先が思い出せません。引用元が書けなくて御免なさい)彼女の身長は155cmしかなく、この1年間で一番参考にさせて貰った選手。
 一見してDHポジションに見えるけどそうでは無い。手はブラケットを持っていてその状態で肘を思いっきり曲げ、肘当ては無いのに背筋や腹筋でDHポジションに近い姿勢を維持している。
 上体の位置はDHポジションの私よりも低い。彼女の方が力があるのに、さらに低くて抵抗の少ないポジションで乗っている。。。
 以前の変なステムでは無くて普通のステム。それなのにどうして155cmでサドルとの落差がこれだけ取れるのだろうと不思議だったけど、トップチューブとダウンチューブの交点を見ると納得がいく。トップチューブの位置が凄く低い。私のフレームよりもさらにとんがった形で2本のパイプが交差しており、その結果としてハンドルの位置が相当低くなっている。
 太腿の角度も凄い。他の大柄選手と同等の長さのクランクを使っているのだと思う。上死点では太腿とお腹がくっつく位まで曲がっている。この部分に関して私は短いクランクを使っているのでここまで窮屈な感じではなく、大柄な選手に近い太腿の動作角度に成っている。この方が凄く楽に漕げるけれど、同一トルクを出すにはより多くのペダル踏力が必要となってしまう。何処に妥協点を見いだすかは難しい問題。
 後は大臀筋からハムストリングスにかけての筋肉量も凄い。私の身体が相当貧弱に見える(笑)。

 自転車に関して言えば、世の常識と異なっているかもしれないけれど、私の感覚や数値的な計算結果では、小さな選手は何れのシチュエーションでも大きな選手よりも不利にしか成らない。主な理由は自転車という一定質量の荷物が有る事、体重≒筋肉量は身長の3乗で増えるけど、表面積や前面投影面積は2乗でしか増えない事、身体の一部のパーツは身長にあまり関係なく一定の大きさの物が有ること、等々。
 そう言う面で最近の私は、体格が異なった男子選手を参考にするのは意味がないような気がしている。体格が近い女子選手を参考にすることが多い。
 取りあえず今回の写真を比べてみた結果として、沖美穂よりも上体が立っているのは頂けない。上田藍と比べたらもっと大きな差になる。しかし今の私はこの角度なら十分に力を出せるけれど、これ以上倒すと力が出しにくくなる。皆生まではこの角度で行ってみよう。
 クランク半径は今の柔軟性では152.5mmが良い感じ。しかし踏力の問題を考えると、方向性としては柔軟性を向上させながら長いクランクを踏める方向に持って行くべきかと思っている。これも皆生まではこのままで行こう。
 一番問題なのは太腿の太さ。これを何とかしないといけない。もしこの部分だけに大柄な選手と同じだけの筋肉量を確保できたら、上記の仮定や計算結果は一気に逆転する。
 身体が小さくて太腿の前後方向に十分な筋肉量が確保できた場合、大柄な選手と出力が等しいのに、前面投影面積や全質量が小さいと言う非常に有利な体型となる。スケートの清水がこれに近いかもしれない。
 そう言う方向で考えていくと、小さな身体はベースとしては悪くないかもしれない。その身体に必要な部分だけ筋肉を付けていけば、その競技に専用の優秀な身体が出来上がる。
 屁理屈っぽいけど間違っては居ないような気がするので、皆生までに少しでも太腿の筋肉を増やしておこう。

 今日はお寺の駐車場でバスケットボールを投げた。色々な方向から投げて拾って投げて拾ってを繰り返した。筋肉を動かすための制御系も鍛えないといけない。

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コメント

お,なかなかバランスよくなりましたね.もう少し上半身から力抜きましょう.首はこれでいけますか?あと,ハンドル先端ってストレートにならないですかね?そっちのほうが今風なので,カッコいいかなと思います.あくまでカッコだけですが.

投稿: 鬼 | 2008年6月23日 (月) 20時34分

 おっと、書きかけでコメント貰ってしまった。

 この角度までなら全く問題ないです。だいぶ練習しました。数時間ならいけます。ハンドルは真っ直ぐが欲しいんですけど見つからないんですよ。そっちの方が少しでも抵抗が少なそうだし。

投稿: みつやす | 2008年6月23日 (月) 21時33分

うーん…上記の大腿の角度は,あまり参考にしないほうがいいのでは.あと,腹筋や背筋で上体の角度を支えてるようではダメですね.うまくいえないけど骨格で支えてるんですよ.どっちにしても快適に漕げるかどうかであって,小さい選手はもともと投影面積が小さいから,あとわずかのためにそこまでして伏せるメリットがあるかどうか疑問だし.

筋肉という面では,おじさんの場合ヒザ下がもう少し細くなればわりとバランスいいと思いますけどね〜〜.腿よりも尻と背筋を強化するイメージですかね?やっぱ目指せ豆タンクですよ.ランナー出身は,いくら実業団上がりの強い人連れてきても,体型を変えるほど徹底して筋力を向上できなければ結局バイクでは超遅いですからね.

投稿: 鬼 | 2008年6月23日 (月) 21時55分

 骨格で支える話はまだ良く理解できないので、これから練習しながら体感していきます。

 前面投影面積に関して、最近は全く逆の考えです。立方体をモデルに考えてみると、身長が1.1倍に成ると表面積や投影面積は1.21倍に成りますが、体積は1.33倍に成ります。1割大きな選手は3割大きな筋肉を持てるのに、投影面積は2割しか増加しないで済むんです。身長が1割違う選手が乗る自転車の空気抵抗は3割も違いません。
 上記はちょっと極端な例ですが、その路線で考えると小さな選手ほど空気抵抗に敏感に成らないといけないと思ってます。そう言う前提でレースシーンを見ていくと、トップに居る小さな選手は小さなポジションを維持しているような気がするわけです。

 皆生には間に合わないけれど、来年の廿日市には私のデカい尻をお見せしましょう(笑)。

投稿: みつやす | 2008年6月23日 (月) 22時15分

ランだとその計算でいいと思うんですが,でも自転車の場合,自転車の高さが入りますよね?なので身体が小さくなる方向だと,高さ方向はそんなにシビアに効いてこないように思うんですよ.あと,空気抵抗を増す方向と,力が入りやすくなる方向を損得で考えて,あまりに伏せた姿勢はぼくはマイナスだと考えています.自分もそれこそ背中トップの位置で5センチぐらい上下させながらいろいろやってますけど,最近また上げる方向で考えてます.上記記事の例は日本のトップの女子選手ですけど,「小さいから参考になる」という趣旨なんでしょうけど,スピード域低いですしね.世界の女子のTT速い人,160センチぐらいの人もいたけどもっと自然な姿勢だったように記憶してます.世界のトップの男子選手の場合では,べったり低い姿勢とっていた選手はボードマンぐらいじゃないかと思います.そういう所から考えると,超短足の薄っぺらい胸板の尻の尖った奴が良さそうですね(笑)

投稿: 鬼 | 2008年6月23日 (月) 23時16分

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