非常に危うかったのですが、なんとか1位で帰ってくることが出来ました。スタッフの方、ボランティアの方、そして自転車で応援してくれたAJ福岡の方、ありがとうございました。
熱中症ギリギリの所で走り続けた為の全体的なダメージと、何故か大腿四頭筋が使えないくらい疲労困憊してしまっています。今日は早めに寝ます。詳細は明日にでも。
取りあえず片付けも終わったので記憶を掘り返しながら・・・。
スタート前のトイレでは兎のウンコが3個くらい。もうちょっと頑張ろうかと思ったけど、写真撮影が始まるらしかったので諦めて外に出た。3組くらいに分かれて集合写真を取る。
直ぐ近くで300kmブルベを開催するAJ福岡のスタッフの方と参加者のT田さんが、朝早くにもかかわらず見送りに来てくれた。ありがとうございました。
スタートはまだ暗い。ブルベのヘルメット用として購入していた100均のキーホルダーライトを手に持って走り出した。ギリギリ路面を確認できるくらいの能力は有る。軽くて安いので保険として持っておくには悪くない道具だと思った。
タイム的な目標は有るけれど、取りあえずは気分で走る。500mも行かないうちにトップに立った。もう一人のランナーがピッタリマークするような形で追走していく。もしかしたら道が解らない為に着いてきているのかもしれない。
2-3km走ってからGPSを見てみると予定よりも少し速かった。ちょっとペースを落としてみたけど、併走するランナーは前には出てくれない。そのままの体勢で見坂峠の近くまで来てしまった。
登りが始まって強度一定で走っていたら、併走していたランナーが一気に前に出た。いくら何でも速すぎると感じ続けて居たので追うことはせずに自分のペースで脇田温泉への道を走った。
脇田温泉ではいつもの様に地元のエイドで巨峰を頂き、間夫峠の登りに取りかかる。間夫峠を半分くらいまで登った所で先ほどのランナーに追いついた。彼は歩いていた。「涼しい間に距離を伸ばしましょう」と声をかけたらしばらく着いてきたけど、じきに姿が見えなくなってしまった。
間夫峠を順調に登った後は力丸ダムから脇野にかけての長い下りが始まる。GPSで見るとやはりペースは速め。ここでしばらく悩んだけど今年はタイムを重点項目と考え、天気予報の午後から雨を参考にして、涼しい間にペースを上げて走り中盤以降は雨の涼しさに賭けてみることにした。
腰のボトルには移動エイドで水を補給して貰っていたので水が十分にあった。脇野のコンビニはパスしてそのままトヨタエイドに向かう。この辺りで3時スタートのランナーを沢山抜いた。
トヨタエイドにはトータルペースでキロ5分35秒くらいのペースで到着した。予定の5分49秒よりもちょっと速いけれども、65km地点までには毎年落ちてしまうので丁度良い予定。
それにしても暑い。既に気温は32度くらい有るんじゃ無かろうか。予報は大はずれで雨の気配は全くない。遠くに小さな積雲が有るだけ。
トヨタエイドを過ぎてから考えを変えた。この暑さではタイムは望めない。無理をすると脱水から熱射病になってしまい途中で潰れてしまう。今までの貯金を食いつぶしながら、熱射病のギリギリの線をたどりながら走るしかないだろうと。
予定通りに赤間を通過する辺りから厳しくなってきて、ペースが徐々に落ちてきた。太腿にも少し違和感が出てきた。でも今までの貯金が有るので、65kmのエイドまでは予定の5分49秒ペースで到着する事が出来た。
かなり消耗していたのでここのエイドで身体に水をかけて貰って冷却した。前回の大会では熱射病のゾーンに入ってからの冷却だったけど、今回はゾーン手前の冷却という部分が違う。少しだけ進歩した。
ペースを落としながら地蔵峠を越えた。この辺りから大腿四頭筋だけが異常に疲れて来てしまった。理由が分からない。地蔵峠の下りではびっこを引くくらいにまで成ってしまった。
海沿いのサイクリングロードで3時スタートのトップを抜いた。これで5時スタート、3時スタートの両方の着順1位に成ったことになる。
成田山は今まで走って登っていた。今回は初めて歩いてしまった。暑さと言うよりも大腿四頭筋が動かなくてどうにも成らない。エイドで休憩した後も歩いて登った。
下りではのろのろと走り始め、なんとか3時スタートの選手に追いつかれないで鐘崎のエイドに到着した。一旦止まると走り出すことが出来ない。数十メートル歩いて勢いを付け、競歩を経由して走りに移行する。
ここから釣川沿いの皐月橋までは一番ペースが落ちて苦しい区間だった。釣川沿いに移動エイドが有ったのでしばらく休憩した。
休憩しているとサイクリングロードで追い越した3時スタートの選手が追いついてきた。脚が動かないのでかなり弱気になっており、着順1位はどうでも良い、正規スタート組で1位に成れば良いやと考えてしまった。
3時スタートの選手が到着して良く見ると5時スタートで追いついていたランナーだった。びっくりしたと言うよりも力が抜けた。気持ちが5割位まで弱くなって希望が2割まで減少した。
追いついたランナーは水を1杯だけ飲んで軽やかな足取りでエイドを出発した。私が追いついた立場でもそうすると思う。こう言うときは一気に差を広げないといけない。
短い間だったけど色々考えた。2回も勝たせて貰ったのだからもういいじゃないか、1位も2位も力としてはたいした差じゃない、2位でも皆祝福してくれるよ、力を抜いた訳じゃないし精一杯でこの状態ならこれが実力だ、etc。
でもこのまま負けてしまうのは格好良くはない。私の判断基準はいつも格好良いかどうか。他人の目から見て格好良いかどうかではなくて、上空から傍観者として観察しているもう一人の自分が見て格好良いかどうかが判断基準。生き様にしても小さな文房具を買うときにしてもいつもそう。
もう一人の自分的にはここで諦めるのは凄く格好悪い。仕方ないとは思うけど格好良くはない。熱射病で生死に関わる状況じゃない。脚が痛くて動かなくて弱気に成っているだけじゃないか。大会後に1週間くらい脚が動かなくなっても、V3達成の方がずっと格好良いに決まっている。第一息子達に何と言い訳する?嫁さんに何と報告する?。。。
取りあえずよろよろと走り出した。一瞬と思っていたけど150m位は差が付いてしまった。砂浜に出る前の軽い上り坂では200mくらいまで差が広がった。頑張っているけど差が少しずつ広がってきている。
砂浜に入る前にエイドが有った。前のランナーはそのエイドに入った。私の腰には皆生のボトルが2本装着してある。両方で約800mlくらいは残っている。残りはあと8kmくらいか?これに賭けてみることにしてそのエイドは通過した。
集落の中を抜けて砂浜に出た。小さな小川を最短距離で渡った。波打ち際の一番硬く締まった砂の部分を選んで走った。どうなっても良いと思って必死でペースを上げた。本当にペースが上がっているのか、2位との差が広がっているのかが怖かったので後ろを見ることが出来なかった。
砂浜が終わって道路に出る部分が来た。約3kmくらいは走っている。ちらっと砂浜を見たら700mくらい後方に2位のランナーが見えた。もしかしたら勝てるかもしれないと感じた。
舗装路に出てからも走り続けた。一昨年お茶を買って被った自販機も素通りした。2番のランナーが舗装路に上がってきたときに、私の姿が見えなくなるまでリードを広げておかないといけない。
何回も何回も、もう止めようとか十分リードしたよという考えが浮かんできた。その度に、お前は何のために今までトヨタのトラックを使わせて貰ってきたのか、何のために女子高生とインターバルをやってきたのか、と問いかけ直した。そう言った好意に甘えてきたオッサンがヘタレでは申し訳ないじゃないか。。。
相変わらず大腿四頭筋の出力は低くて反応も悪い。しかし脚が痛いのは忘れていた。物理的な力はどうしようも無いけれど、痛みは気持ちでなんとでも成るもんだと感じた。
心臓の苦しさだけを感じながら塩田跡の堤防を走り抜けた。チラッと後ろを振り向いたら1km以上は間隔が開いていた。この時点で勝利を確信した。 煉瓦通りの道に出て、左折して津屋崎の海岸線の道に出た。もうペースを落としても良かったのだけど、勢いでそのままのペースで走り続けた。
歓迎アーチを潜ってしばらく走るとゴールの赤い垂れ幕が見えた。最後の50mくらいだけは少しペースを落として気持ちを整えた。500円位で買った作業用のサングラスを外し、イメージトレーニングの一環として練習してきた3本指を立ててゴールした。
ゴールしたら一気に疲れと脚の痛みが出てきた。ホースを借りてしばらく身体に水をかけ続けた。全体的な消耗は前回の大会を上回っているかもしれない。
7-8分して2位の選手がゴールした。握手してお互いの検討をたたえ合った。一瞬だけ自分たちがアスリートに成ったような気がした(笑)。しばらくしたら3時スタート1位の選手や3位の選手も帰ってきた。彼らとも握手をした。
1時間くらいゴール地点に居たかもしれない。身体も冷えたので近くの銭湯に行くことにした。脚が全く動かない。体中に出来た擦り傷に潮湯が染みる。
19:30頃から懇親会が始まった。まだ走っている選手も居るらしい。前回と同様に、もしかしたら前回以上に暑い大会だったので時間内完走は酷く少ない大会に成ったのでは無かろうかと思う。
熱射病一歩手間の状態を長く続けて来たために、胃腸の調子が宜しくない。軽くいくつかつまんだらお腹が一杯に成ってしまった。まあ用意された食事の量もその程度しか無かったけど(^^)。その代わりアルコールの量は結構あった。朝までN次会が続いた事と思う。
1次会が終わったのでそこで帰ることにする。スタート地点に置いた車まで歩いていった。脚が全く動かないのですり足で。
帰りにブルベの様子を見にハーモニー広場に寄ってみた。T田さんの状況を知りたかったし、スタートとゴールで応援していただいたスタッフの方にお礼を言いたかったので。広場には人気が無くて看板を積んだワンボックスだけが止まっていた。しばらく居たけど何も変化が無かったので帰宅することにした。
取りあえずこれで3回目の玄海100kmウルトラマラソンが終わった。ローカルのクラブ大会とはいえ、その中で3勝することが出来たのは本当に運が良かったと思う。**教的な信仰心は無いけれど、地球や宇宙やエンドレスの時間軸を含めた総合的な神様みたいな物には感謝している。
ラン 103km
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